昨日の続き。
(7月のことを書いています)
お互いの自己紹介も無事終了し
生徒さんたちの安堵のため息が
教室の凍結した空気を
再び常温に戻していった。
クロ隊長の「色のお話」など伺いながら
茶室的和やかさで授業は進み
(マラガの場合、動物園的)
河口先生の登場と共に今日のメインイベント
「配色実習のプレゼンテーション」が始まった。
すると、さっきまで流れていた
茶室的平穏は一瞬のうちにかき消され
じわじわと不穏な空気が漂い始めた。
生徒さんたちは声こそ出さないが
その微妙な表情の変化は
ここが茶室なだけに妙に、際立つ。
教室なのだが。
前方に設けられた大きなスクリーンに
生徒さんたちが今日のために考え
持ち寄ってくれた作品、
「ブログの配色サンプル」が
どどーんと投影される。
「おおー、すごい」
なかなか迫力がある。
一人一人、自ら映像を紹介しながら作品を説明する。
その姿は、なかなかかっこよかった。
人間、矢面に立つときに漂う緊張感というのか
人前に自分を置く、リスクを背負う時
人は美しい、と思う。
何より私が驚いたのは
「なぜ、こういう色、配色にしたのか」
全員それを、きちんと言えることだった。
自分なりの考えに従って、色を決めてきた。
それは何気ないが、とても大切なことだと思う。
何事もそうだが、プロセスこそに意味がある。
生徒さんたちは緊張しながらも
「作品を見て、よく使われている色を」
「南スペインのイメージの色を」
「写真や作品が引き立つように」
など一人一人、驚くようなことを伝えてくれた。
「おぉお~、やるのう」
感心して拍手していたら、私の番。
それぞれの生徒さんに対してコメントを返すのだが
正直言って「すばらしい!」の一言に尽きる。
「ブラボー!」
と、プレゼンが終わった瞬間
叫びたかったが、ぐっと抑えた。
ここは劇場ではない。茶室なのだ。いや、教室なのだ。
できるだけ具体的にコメントしたかったのでメモは取ったが
この中から「一つ選ぶ」と言うのは、本当に難しい。
何より「プレゼンの形になっている」というのはすばらしいこと。
みなさん、自信を持ってくださいね。
授業の一環とはいえ、おつかれさまでした。
そして河口先生、クロ隊長、こんなすばらしい機会を
与えてくださったことに感謝しています。
驚きと発見を、ありがとうございました。
もしいつか、再び「トライデント」の門をくぐることがあったら
次の授業では、ぜひ今回できなかったことをしてみたい。
それは
「スペイン語の呼び名を生徒さんにプレゼントし」
「その名前で授業を進める」
人生は、出会いと驚き、そして発見に満ちている。
(明日につづく)