油絵教室は瞑想道場

この秋から始めた「油絵教室」は、この上ない喜びを私に与えてくれる。まず、単純に「教えてもらうことの喜び」。スペインは一言で言うと、できない人に優しい国民性。というか、子供扱い(笑)。「わからなくて当然」なので、質問するのが怖くない空気に包まれている。

ここ二十年近く、「ピアノの先生」を続けてきて
「どうしたらできるようになるか」
に、ずっと心を砕いてきたので(そうは見えないかもしれませんが)、今回の生徒の体験は貴重。「時間内で結果を出す」のが、ある意味、私たち先生の仕事。ところが「生徒」というのは、責任もないし「わからなくて、それでいいのだな」と(笑)。こういう心の置き方って、ずっと忘れていた。気楽だな。

先生に教わりながら基本の習作。「創作」とはまるでちがう呼吸。まるでピアノで「編曲や作曲」でなく、「練習曲」を弾いている感じ。楽譜にあるものをそのまま弾く。目に見えるものをそのまま描く。自分の中で、ひねり出す。形のないものを形にするパワーは必要ない。

cimg4226 油絵教室の三時間は、まるで瞑想のようなひと時。
cimg4022 みなさんは白衣。私はシャツかトレーナー。動きやすいから。白衣のだぶつく感じがどうも苦手。左端の立っている女性がトニー先生。cimg4227 色の基本。すべての色を、青、黄、紅(マゼンダー)の三色から作り出す。改めてやると新鮮。懐かしい「色指定」を思い出す(笑)。cimg4026 cimg4508 最終的にはこんな感じ。上の見本画をベースに、雲や波を自分なりに入れていく。立体感を出す描き方が基本なので、勝手にアレンジしてはいけません。最初、空を赤、海は黄色で描こうとしたら、すごい勢いで先生に止められました(笑)cimg4224教室までは自転車で約二十分。途中、こんなブーゲンビリアの小道を通って行きます。青い空がいつも応援してくれるマラガ。オーレ!
十二月で油絵教室は終了。また来年もできるといいな。