アイフォンをプレゼントしてくれたハビ吉からは、毎日必ずメッセージが届く。文章は短いが「今、オスロへ向かう飛行機の中」とか、「やっとマラガ空港に着いた」とか。そう、いつも移動中。
先日など「あぁ、五時間後に起きてロンドンへ行かなきゃ」って、メッセージなんか打ってないで早く寝てよ。
さて、このメッセージやりとりのシステムは、スペインでは「WhatsApp」と言う(ワサップと聞こえる)。日本では「ライン」と言うらしい。よく知らないけど。ま、ともかくハビ吉のおかげで、ずいぶん早くメッセージが打てるようになってきた。問題はそれが「スペイン語である」というところ。
日本語の方はクロ隊長が、お時間を割いて練習相手になってくださったおかげでずいぶん上達。しかしここだけの話ですが、クロ隊長のメッセージ送信スピードは、ただものではありません。
「一度に十三人を相手にやりとりしたことがある」
と、言われるだけあり、ものすごいスピード。まるで世界ランキング上位のテニスプレーヤーに打ち返されるがごとく。答えを必死で一字一字書きこんでいる間に、もう次の速球が打ち込まれる。音は「ピッ」とかわいいが、私には「ビシッ」と聞こえる。コートだから。
やはりライブで相手がいると、緊張感がちがう。会話のスピードに近づけようと必死になるものだ。日本語でも息たえだえ、知らぬ間に汗びっしょりなのに、ハビ吉のおかげで「今度はやれスペイン語!」なのである。
「マラガ~マドリッドの格安の特急AVEのチケットを見つけたんだけど、どう?次の連休」
メッセージの吹き出しは、そう尋ねてきた。スペインは十二月頭に、飛び石連休がある。ピアノのレッスンもだいたい誰も来ないので、自然とお休みになってしまう。
「いいけど、マドリッドって寒いよね」
「冬だからね」 そんな会話の後、いきなり四日間のマドリッド旅行が決まった。
細かいことは打つのが大変なので、できるだけ「短い文章」で答える習慣がついてしまっている。いろいろ聞くのもめんどくさいので「ええい、行ってしまえ!Vale(バレ・OKの意)!」四文字で決まり。 というわけで、急きょマドリッド&周辺へ行くことに。マドリッドまで指定席の特急で20ユーロは確かに安いよなぁ。観光ガイド本もないが、まぁハビ吉がいてくれるからいいであろう。せっかくなので写真をいろいろ撮って、ブログで紹介したいと思います。
最後になりましたが、今日の作品はプラスチックのボードにペイント。
作品とは言いつつ、うちでは「ふた」や「カバー」など、あらゆる場所に使われています。「固く、濡れても大丈夫」という特性は今後、いろいろなものに応用できそう。楽しみな素材です。