オウムとテレサ叔母さん

服に合わせて「ブローチアート」作り。シンプルに3種類のデザインで。なんとか2日で作り上げたい。休憩がてら、ハビ吉の叔母さんにメッセージ。

「テレサ叔母さん。今日はオウムが引き出しの中に!」

私たちの毎日の習慣。彼女は「尼僧」なので、その返事は「神様の言葉」であることが多い。

自らも筆を取り、油絵を描くテレサ叔母さんは、私のとんでもない質問にも、いつも根気よくおおらかに答えてくれる。

「尼僧になった後に、好きな人ができちゃったらどうするの?」「尼僧をやめて結婚できる?」「テレサ叔母さんは、好きな人いた?」

「ふふふ」と微笑む、穏やかな表情が美しい。83歳を越えても絵を描き、ワインやチーズを楽しみ、修道院でお勤めをする。

オウムが鏡を割った時も、三段引き出しを破壊した時も、その写真を見たテレサ叔母さんの答えは同じだった。

「オウムが手伝ってくれていいね。寄り添ってくれていいね」

破壊しているのに、お手伝い?えっ?えっ?でも、あのテレサ叔母さんが言うのだから。と小首を傾げながら、しばらく消化に努める。

この「しばらく消化」が、いいのかも。気持ちを害された時に、すぐに「好き嫌い」「気分がいい悪い」で、人を、事を判断しない。

おかげで「洗脳」が進み、最近ではオウムに何かされても

「これは、きっと何かのお手伝いなのでしょう」

と、天を仰ぐようになった。すると、テレサ叔母さんの笑顔が浮かんでくる。「全てに役割があるんですよ」とでも言わんばかりに。

好きな人の言葉は、すっと心に入る。来年こそ、テレサ叔母さんを訪ねてグラナダの修道院へ行ってみたい。

★11月末に計画中の「クエンカ旅行」。今週もうすでに雪が!はたして耐えられるのか。