マドリッドに着いたらちょうどランチタイム。「その辺のバルで適当に食べれば」と思っていた私に、男子2人がテキパキと台所に立つ。
「僕はカラバシンのクリームスープを作るよ」「じゃ僕は、肉料理を」
「ソースは何にする?」「肉汁に人参とワインでどうかな」
ハビ吉とアンドレスの料理のレベルの高さ、キッチンのテキパキぶりに、ただ呆然。「何かお手伝いしましょうか」と恐る恐る尋ねるも
「ワインの栓を開けといて」「テーブルクロスをかけといて」「フォークとナイフ並べて」
と、まるで戦力にならない私。2人のおかげで、あっという間にすばらしい料理の数々がテーブルに並ぶ。
「乾杯!」「いただきまーす!」
一口食べては「おいしっ」「あぁあ〜」「うまっ」の連続。我が家の食生活とは、次元の違うおいしさ。
「あぁあ、2人が今日お仕事お休みで本当によかった〜」
1人だったら、その辺のバルのカウンターで適当につまんで終わり。のはずだったのが、いきなり国際交流ランチに!
ハビ吉(スペイン)、アンドレス(コロンビア)、私(日本)。それぞれお国は違えど、テーブルを囲めば、みな兄弟。
おしゃべりに花が咲き、ランチの終わったのがもう午後5時半。遅っ。その時、玄関のチャイムがピンポーンと鳴り・・・
「あ、ホルヘとパトリシア。モモが来るって伝えてあるよ。さぁ、これから『メリエンダ』しよう!」
メリエンダ(おやつタイム)。うそ。もうお腹いっぱいだけど。まだ食べ続けるの?
その時まだ私は知らなかったのだ。6時から始まるメリエンダが8時に終わり
「そのままディナーに移行」
することを。はたしてこんな調子で胃腸は大丈夫なのか。(明日に続く)