9.メ・グスタ・ラ・ムシカ

CIMG0470 CIMG5906 CIMG5909 CIMG5908 フェオーナとレオン・アルコイリス
は森に着くと、さらに奥に
むかって進んで行きました。
「この鳥かい?」

見上げると、枝の上で
一羽の美しい鳥が
羽を休めているところでした。
鼻は大きいけれど
フェオーナの鳥ではありません。
「いいえ、あんな水玉もようは
 ついていないわ」

「あの鳥は、どうだい?」
確かに鼻は大きいし
水玉もようでもありません。
「いいえ、もっと大きいの」

「この鳥なら、どうだろう!」
「いいえ、ちがいます」
フェオーナは泣き出しそうに
なリました。そのときです。
レオン・アルコイリスが
眉をひそめて言いました。
「もしかすると『大男の島』に
囚われているかもしれないな」
「大男の島?」
「この森の向こうに大男の
住んでいる島がある。森で
迷子の鳥をさらっていくので
有名なんだ」
「その島に連れて行って!」

「メ・グスタ・ラ・ムシカ(僕は音楽が大好きなんだ)!」
フェオーナが涙をふいて、歌をうたい始めると
レオンは気持ちよさそうに羽をぶるるん、とはばたかせました。
「いい歌だな。飛びたくなってくる」
「わたしを連れて行ってくれますか」
「僕は音楽が好き。強い心が好き!」

レオン・アルコイリスはフェオーナを背中に乗せると
あっというまに森を越え、海原に向かって飛び立ちました。

(「ベラの絵本・10」につづく)

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「9.メ・グスタ・ラ・ムシカ」への2件のフィードバック

  1. 森から海ですか。ベラの想像力がどんどん膨らんでますねぇ。この3種類の鳥のかき分けも面白いなぁ。

  2. 実は、次回の絵『大男との決戦』が描けず
    ベラ苦戦しております(笑)
    基本的に絵を「発注」できないので
    出来上がったものを掲載するしかないのですが・・・
    「あれ~、こうすると向こう側の足はどうなってるのかな、ねえっ?」
    って、わたしに聞かないで。

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