果たして飛行機に乗れるのか

CIMG0123 CIMG0126 CIMG0098 CIMG0099 CIMG0124 CIMG0132 CIMG0150 昨日の続き。
「バルセロナ旅行・5」。
マリ&ギジェと別れのキスをした後、私たちは一路、バルセロナ空港へと向かう。

運転するのはルイス。
私たちの飛行機は午前10時20分発。
車で50分の距離なので、7時50分に家を出る。

が、恐ろしい渋滞が私たちを待ち構えていた。ほとんどまったく車が動かない。3メートル進むのに5分。

私たちの脇を、救急車とパトカーが通り過ぎていく。
「これは、まずいかも」
と思ったときには、すでに遅し。
30分、50分・・・と止まった車の中で、刻々と時間が過ぎていく。

結局、1時間以上渋滞を食わされ、空港に着いたのは、なんと10時。
そう、出発の20分前。
「ポル・ファボ~ル!」
と泣きつくが、無情にも搭乗手続きはしてもらえず、飛行機を逃すことに。しばらくショックで立ち尽くす私たち。

「忘れられない誕生日になったよ」
こんな時でも、ユーモアを忘れないルイス。
「アンフォアゲッタブル~」
と、シナトラ風に歌うベラ。いったいこの二人は。

私だけ必死になって、カウンターでチケット再購入の手続き。
特別料金でチケットを再購入できたのはいいが、
「午後6時半発ですね。それより前は空席がありません」
「ええっ、8時間も待つの?」

私一人ならバスでバルセロナ市内観光へ行ったのだが、歩けないベラといっしょなので、空港に居座ることに。

「ルイス、本当にありがとう!チケットまで買わせてごめんなさい」
「ニッポン行きの飛行機じゃなくて、よかったよ」

私たちは別れのキスをした後
ルイスを駐車場まで見送り
再び空港のベンチに戻った。
これから8時間の修行が
待っているのである。

空港内のカフェテリアで朝食をとり
さらに昼食をとり、シエスタもしたが
時計はなかなか進まない。

「そうだ、バイオリン弾いちゃおう~」
ベラはバイオリンの箱を開けると
クラシックからボレロまで、鼻歌まじりに弾いていた。

ふと、ルイスが2階のベランダから投げてくれた
「ガルデニアスの花」のことを思い出す。
「ドス・ガルデニアス・パラ・ティ~
(あなたにこのガルデニアスの花を)」
で始まるボレロの名曲。
この曲を、今年は編曲して弾いてみたい。
2階のベランダに立つルイスの笑顔を思い出しながら。

ベラはしばらく練習していたが
30分もすると飽きてしまい
「お互いの小さい頃のことについて、話そう」
ということになった。

それでもまだ、午後4時。
まだ2時間半ある。

やっと飛行機に乗り込んだときには、二人とも爆睡。
離陸も着陸もおぼえていない。
マラガの我が家に着いたのが夜の9時。
ベラはどさっとソファに沈み込むと
「ああー、バルセロナって遠いなぁ」

「まるで、メキシコかキューバに行って来たみたい」
わかる。
それくらいの時間だもんね。
オウムを鳥かごから出してやりながら
これなら、プエルトリコにも行けそうだな、とひそかに思った。

 

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「果たして飛行機に乗れるのか」への2件のフィードバック

  1. うーん、、
    ポルファボールでも効かない場面があるのですね。
    時間だけはなんともならないですねぇ。

    お疲れ様。無事に帰れて良かった、良かった。ゆっくり休んでくださいね。
    (・ω・)ノ

  2. 大変、お騒がせ致しました。
    バルセロナ空港で飛行機を待っている時
    「午後4時からピアノレッスンだった」ことを思い出し
    あわてて生徒さん3人に
    「飛行機に乗り遅れて・・・」
    と、電話したところ
    「ええっ、いつも几帳面なももが?」

    几帳面。だったのだ、私は。
    この言葉を、心に刻んでおこう。

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