先日、珍しく「肉を食べに」行った。ま、結果として。なのだが。最初に「マグロを食べに行く」予定のレストランが閉まっていたので、急きょ「肉」に変更。
この日のメンバーはおなじみ、ハビ吉、ダビー、アウローラ。レストランに飛び込んだのが、すでに午後の4時。信じられないが、これからランチ。
お腹がすき過ぎて、機嫌悪し。すみません。基本的に機嫌はいつもいい方なのだが
「空腹、および眠い」
時は、いきなりテンションが下がる。まず、しゃべらなくなる。のでわかる。
それをよく知る彼らは
「ビールを飲んで!」
「オリーブの実でも食べて」
となんとか私の、まるで「機嫌の悪い鈍牛」のような状態から脱出させようと試みる。
「ビールかワインを与えておけば元気になる」
と彼らは思っているのだが、空腹がある一定のレベルを超えると
「もはや何をしてもだめ」
なのだ。自分でも情けないが。
さて、この日は「肉を食らう」と決まったので、チキン、豚、牛、子羊と肉のオンパレード。これがどれも絶品。
よく午後の4時に駆け込んで作ってくれるなあ。さすがスペイン。この他にも、スープや豆の煮込みなどを注文。四人でシェアとはいえ、とにかくよく食べる。
ランチが終わったのが、なんと午後の6時。って、何なのだ。当然レストランの中は私たちのテーブルだけ。まったく迷惑な客だと思う。
チップをはずみ、外に出ようとしたその時。レストランの片隅に木製の古い「ピアノ」が、ぽつんと置かれてるのに気づいた。
私の視線の先をたどって、ダビーがつぶやく。
「今度は、弾いてよ」
「・・・・・」
もうずいぶん、弾いていない気がする。公の場所で。たかが3年。されど3年。ピアニストをやめて、3年がたつ。
気持ち的には、もっとずっとはるか5、6年くらい前のことに思える。私がピアニストだったことが。
あれだけ毎日、弾いていたピアノを私は手放したのだ。レッスンでは弾くけれど
「職業ピアニストをやめる」
ということは、自分の中心をあけ渡すことでもある。
それに取って代わって「絵」が新しく、私の中心となった。そして、ずいぶん私は変わってきたと思う。
そんなことが一瞬に思い出されて、言葉にできないで黙っていると
「また今度、もものピアノ聴かせてね」
と、私の肩をぽんと叩いた。
そう言ってくれる友に感謝しよう。そして
「待ってくれる友」
に。
私が時にのろまで頑固で、よろよろ方向ちがいに歩いていても、友達はいつでも待っていてくれるのだ。そして、何度でも許してくれる。
「彼女は、ピアニストなんです」
アウローラが、お店の人に誇り高く紹介する。
「ええっ、そうなんですか!」
「ピアニスト・・・だったんです」
いつか、弾くのだろうか。わからない。今はただ、進んで行こう。答えはいつも、内からやってくる。ある日突然、ぽんっと。
今、秘かに編曲している曲がある。それは、私をよく知る古い友人からのリクエストで
「星に願いを」
というスタンダードナンバー。
いつか、弾くことがあるのだろうか。
ぜひ聴かせて下さい。
私はドラゴン・ムーンが好きです。
これまでしてきた編曲は、全て「ドゥオ」用。これを「ソロ」用にしていくとなると、弾き方が全く変わりますね。
楽器が2つから1つになると、音の重なり方も変わるし。
そういえば「ドラゴンムーン」。あれから1度も弾いてないなぁ。1人でどうやって弾こうかなぁ(笑)