先週から始まった新企画「べラの日本語レッスン」
今週のキーセンテンスは「おかえり」。
先週おぼえた「ただいま」に対する答えとして
玄関に立ち、「おかえり」と出迎えられるようにする、
というのが、今週の学習目的である。
この学習で、べラはすばらしい習慣を身につけたのだった。
人の出入りの際、玄関で「お見送り」と「お出迎え」をするという。
なにげないことだが、この習慣のないスペインでは
十分、「ニッポン文化」を身につけてきた、といえよう。
先日、日本の友人が、うちにわたしを呼びに来たとき
「ええ~っ、お見送りしてくれるの!」
と、玄関に立っているべラを見つめて驚いていた。
「いってきます」と「いってらっしゃい」
「ただいま」と「おかえり」
これらは「対」でおぼえるわけだが、ときどき混乱して
「いってきます」「おかえり」
「ただいま」「いってらっしゃい」
などが起こる。
さらに今週は
「おさんぽ」と「お買いもの」のボキャブラリーを新たに加え
「おさんぽ」「いってきます」
「お買いもの」「いってきます」
の応用をきかせるレッスンをはじめた。
「おさんぽ?」
「いいえ、お買い物」
べラ、自転車を引き出しながら
「お買いもの、いってきます」
「はい、いってらっしゃい」
「いってきます!」
「またね~」
と、手をふりながら遠ざかっていくうしろ姿を見ながら
やるな、と思った。
(「べラの日本語レッスン・3」につづく)
スペインにはお見送りやお出迎えがないの?
お客様がきた時や帰る時はどうするの?
ちょっと、想像ができない・・・。
お出迎えやお見送りは、お客さんに対して
「玄関でお別れのあいさつのキスや抱擁をするとき」に
結果として生まれる状態で、
「お出迎え」「お見送り」という言葉(概念)は、ありません。
わたしの日本人の友人によると
「じゃね」とドアを出るとき、
「はい、じゃね」とすぐに閉められることが多いスペイン。
エレベーターを待つあいだ、
世間ばなしをしながら、そのまま玄関に立ち続け
友人がたしかにエレベーターに乗ったのを確認しつつ
「じゃあ、またね」
というのが「お見送り」の定義だそうです。