おはようございます。ベラです。
「ベラの部屋」第2回目の今日は
僕がびっくりした、日本の「車窓の風景」について書きます。
大阪の、線路ぎりぎりまですきまなく家が建てられているのにも驚きましたが
それより僕の目をひいたのは、「田んぼや畑」です。
驚くことにどこを見ても、田んぼや畑に「サク」がないのです。
これは、いったいどうしたことか。
しばらく考えていて、はっとしました。
「泥棒がいないから、サクがないのだ」
それに気がついて、僕は心がすっとなりました。
「関空での車イスのお姉さん」
「駅での女忍者のお姉さん」
「サクのない畑で農作業をするお姉さん」
誰もが、互いに安全を気づかい、自分の職業、居場所を持ち、
安心した、くつろいだ表情をしている。
それを、ももに言うと
「日本人も、けっこうストレスがあってたいへんなんだよ」
と、言いました。そうかもしれません。
みんな「コマンド」みたいに、完璧に動いているので。
大阪からは、特別速い電車「のぞみ」にのりかえることになりました。
「ここから名古屋まで、1時間で着くんだよ」
と、ももが教えてくれました。
まだ荷物を整理しているあいだに、のぞみはすごい勢いで走り始め
あっというまに、景色も見えなくなりました。
こんなに速い列車に乗ったのは生まれて初めてで、
まるで、飛行機の離陸のときと同じです。
イスの背に吸い込まれるようにして、じっとしていましたが
おそろしがっている日本人は、誰もいません。
日本人はほんとうに「動じない」と、思います。
関空駅の「女忍者」といい、「自動回転イス」といい、
「サクのない畑」といい、「離陸時の飛行機のようなのぞみ」といい
「インクレイーブレ(信じられない)」のレベルがちがいます。
そういえば、大阪駅にあれだけたくさんの人がいても
「迷ってうろうろしている人」が、ほとんどいないのはなぜか。
どうしてみんな「自分の行き先を」きちんと知っているのか。
歩き方を見ただけで、
「目的地に向かって」まっすぐ歩いているのが、わかります。
あれだけの人が、もしマラガ駅にいたら、
完全に、駅は機能できなくなるでしょう。
だって誰も、どこに行ったらいいかわからないから。
関空駅、大阪、新大阪、名古屋と、駅を点々とするあいだに
なぜ、人口・1億2千万の日本がスムーズに「機能する」のか、
その理由を、発見しました。
1つめは「情報が正確に、すばやく入手できること」
そしてもうひとつは、「周りに迷惑をかけない心くばり」です。
そのひとつが、あちこちで見られる「顔面マスク」です。
「風邪がうつらないようにしているんだよ」
と、ももが教えてくれましたが、
あんな不思議なものを見たのは、生まれて初めてです。
どこに行っても、「顔面マスク」は見られました。そこに僕は、
「自分と同じくらい、心の中に他人が存在する」日本人の精神性を、
しみじみと感じました。
これは、ヨーロッパや中南米にはないメンタリティです。
ヨーロッパや中南米で「顔面マスク」といったら
基本的には「強盗」です。
それが日本では、「心くばり」から、顔を覆う。
ももが、日本に来る前に
「くしゃみをするときは、絶対に手を口に当てるように!」
と、口すっぱく言っていたのを思い出しました。
何度もしかられたけど、今はその意味がわかります。
「恥を知る」ニッポン人。
さすが、サムライの末裔。
名古屋を中心とする中部は、
有名な昔の武将が、戦をくりひろげた地方だと教えてもらい、
どんなサムライの末裔に会えるのか、とても楽しみになりました。
次回は「名古屋についてからのこと」を、書こうと思います。
(「ベラの部屋・3」につづく)