名古屋の栄を歩いていて、僕はたいへんな「発見」しました。
その「発見」をももに報告すると
「ええ~、そう?気づかなかったけど」
ももは基本的に、
「ぼ~っとしているか(何も見ていないし、聞いていない)」か
「すごく集中しているか(そのことだけを見て、聞いている)」のどちらかなので
いわゆる「ふつうのこと」には、気づきません。
たとえば、マラガでご近所の人とすれちがっても
「あんな人いたっけ?」
「もう3年、いっしょに住んでるよ」
と言った具合です。
だから、もものこうした反応には、僕はなれています。
僕の発見は、「日本の若い女の子の流行」についてです。
この寒いのに、女の子たちはみんな「ある同じ格好」をしていました。
栄の地下街では、すれちがう20代の女の子の、
数人にひとりが、このスタイルでした。
それは、「ショートパンツにブーツ」です。
そして、もうひとつの「発見」は、
これは年齢、性別にかかわらず
日本人はみんな「香水をしない」、ということでした。
みなさんは、それが当たり前なので「?」と思うかもしれませんが
「香水」があたりまえのヨーロッパでは、
「無臭」の日本人は、とても不思議な存在です。
町を歩いても、電車に乗っても、
まったく「香水の匂い」も、「人の匂い」もしない。
するのはどこでも、「おいしそうな食事の匂い」です。
ももが、強い香水をきらっていたわけが、やっとわかりました。
この日本の「香水なし文化」は、たんに日本に
「香水の歴史、習慣がない」以上に、深いものを含んでいます。
「香水」は、いってみれば「匂いをかくす」もの。
日本人は、「ありのまま」がすきなのです。
香水はつくりものの匂い、自然のよそおいこそが
ニッポン人にとっては、美徳なのです。
そして、かくさなければならない匂いもない。
あんな、お風呂というすばらしい習慣があるのですから。
そういえば、ホテルの「アメニティグッズ」にも、驚かされました。
スペインには、4~5つ星ホテルにしか
そのようなサービスはありません。
でも、日本には行くホテルすべてに
「はぶらし、くし、ひげそり、タオル、シャンプー」がついていました。
これは、スペインの3つ星ホテル(僕たちが使うランク)では
ありえないことです。
ひどいと、トイレットペーパーもきれていたりします。
僕は、ももがとめたにもかかわらず
「はぶらし、くし、ひげそり、タオル、シャンプー」すべてを
スペインから持っていきました。
そして驚くことに、2泊すると翌日には
「きのう使ったはぶらしは、捨てられてしまう」のです。
僕は、まだ使えるから戻してくれるように、掃除のお姉さんに頼みました。
でも、お姉さんは笑いながら
「だいじょいぶですよ、新しいの使ってください」
と、言うのです。
こんなことを1日1回、1年に365回する、というのが信じられず
僕は結局、すべてをスペインに持ち帰りました。
今、使っている「はぶらしやシャンプー」は、そのときのものです。
そういえば、困ったことがひとつありました。
高級なホテルは、「窓がはめこまれていて、開かない」のです。
空気の入れ替えをしたくても、まったくできなくて困りました。
そのかわり、「お茶」のセットはすばらしいですね。
マテ茶を持っていったのに結局、一度も飲みませんでした。
あんなにおいしい「緑茶」があるので、必要ないのですね。
ホテルについては、それくらいかな。
ああっ、たいへんなことを忘れていました。
「トイレ」について、です。
次回は「日本のトイレ」について、書きます。
(「ベラの部屋・5」につづく)