日本からマラガへ戻り、その涼しさに驚いている。毎日最高32度、最低23度。朝夕の清々しいこと。
日本ではあれだけ連日飲んで食べたのに、太らないどころか1キロ痩せた。信じられない。
こんなこと初めて。いつもは2、3キロ太ってスペインへ帰るのに。
これ全て「猛暑で汗だく」だったせいではないか。顔から朝が滴り落ち「化粧ができない」なんて、自分でも驚いた。こんなことマラガではありえない。
いくら暑くても、皮膚は乾いている。つまり、日本で私は「サウナ状態」だったのでは。それが自然ダイエットになったのでは、と疑っている。
さて、スペインへ到着した夜「ブレーカー落ち」が私を待っていた。シャワーよりビールより先に「冷蔵庫の掃除」。信じられない。
まあ、そもそも冷たいビールもないのだが。電気が通ってなければ冷蔵庫はただの箱。
実は日本へ行く前に、冷蔵庫の方はちゃんと空にして行ったのだ。なのにその上の「冷凍庫」のことをすっかり忘れてしまったという。ああー。
扉を開けた瞬間、ものすごい世界が広がっていた。っていうか、あまりの匂いで「今すぐなんとかせねば」的、緊急体制に一瞬でなった。疲れも吹っ飛ぶ。
騒ぎ立てるオウムを足元で遊ばせながら、長旅の後に冷蔵庫の掃除。全てがどろりと液体化しており、息もできない。
で、掃除に使った雑巾などを、通りのゴミ捨て場へ出しに行き、やっと一息。まだ匂いは残っているが、続きは明日にしよう。
と、椅子に座ってアイフォーンを取り出す。まずは帰国の連絡。そして。次は「セビジャーナス教室の仲間」へメッセージ。
なにしろ、マラガ到着翌日に「セビジャーナス教室の打上げランチ&発表会」が予定されているのだ。さすがにこれは無理と判断。
「残念ながら明日は無理そう。ごめんなさい」とメッセージ。この時点ですでに夜の12時。
シャワーを浴び、ベッドへひっくり返ろうと思ったその瞬間。アイフォーンの画面にはメッセージ着信「64」と出ている。
まさか。と思って見てみると、全てダンス仲間からの反対メッセージ。冷蔵庫の悲劇を説明すれば
「それは明日帰ってからやればいい」「どうせ冷蔵庫が使えないんだから外食でしょ」「打上げの後に掃除に一緒に行く」などと、メッセージは増えるばかり。
これはもう、一つの解決法しか残っていない。寝るために、私はメッセージした。
「みんなありがとう。明日行きます。明日会いましょう!」
そうしてスペイン到着一日目から、全く休ませてくれないマラガなのであった。