エルムのライブも無事終わり、
名古屋から豊橋へ帰ると、駅では両親が待っていた。
今日はこれから「買い物」と「鍼(はり)」が待っているのだ。
「どうだった、ちゃんとしゃべれたの~?」
母の心配の種は、ひとえに「わたしの日本語トーク」だったので
演奏後、会社員時代にお世話になった林部長(当時)が
「きみどり君は、20年前とちっとも話し方が変わってないなぁ!」
と、おっしゃられた話をすると、のけぞりそうになった。
買い物に行っても母はまだ
「大野さんに司会をしてもらうわけには、いかんのぉ?」
と今週末、金山で行われる「音楽プラザ」のコンサートを案じている。
その眉間には、きっかり深いしわが刻まれるようになってしまい、
わたしは密かに「トークの特訓」することを、心に決めた。
買い物と、鍼(はり)を無事終え、きみどり家にもどってきたわたしたちは
ベラには、みかんや柿のおやつを与えておき、
自分たちは「やれ洗濯」だの「食料品を冷蔵庫に」「これは2階に」
「いただいたお花は生けましょう」「留守電、聞いた?」
と、とどまることなく動きまわっていた。
それをじっと見ていたベラは、ついにきみどり家の一族を
「スピード・ファミリー!」
と、命名した。
「なんだって、ベラちゃん?」
「わたしたちのこと、スピード・ファミリーだって」
「なにそれぇ~?」
「3人がそれぞれすごい勢いで、ちがう動きを同時にしているって、驚いてる」
「ああ~、ベラちゃんは象だからねぇ、おっとりした」
それを聞いていたベラは、自分のことを言われていると気づいたのだろう。
突然、日本語で
「わたしは、象です!」
と言うなり、右腕を鼻にみたて、ゆ~らゆ~らと揺らしながら象のまねを始めた。
「自分は象だって、わかってるんだねぇ~、賢いねぇ」
どこをどう修正していいのかわからない、きみどり家の会話に
くらくらしながら、わたしは荷物の整理を続けた。
しばらくすると、母が
「はい、ベラちゃんにプレゼント!」
と、特大XXXXLサイズのシャツと、セーターを「はいっ」と、勢いよく手渡した。
「ああ~、ありがとう、ありがとう!」
さっそく着てみると、まぁ、サイズも色合いもぴったり。
ベラの顔に、とてもよく似合っている。さすが、飼育係!
母は満足げにうなづきながら
「象じゃかわいそうだから、これからは『象プリンス』にするね!」
そうして、きみどり家の一族は「スピード・ファミリー」
ベラは「象プリンス」と、なったのだった。
床暖房の上にねっころがりながら、お茶を飲んでいると
父が、顔にクリームをぬり出した。
それが「しみとりクリーム」で、「8000円」もすることをベラに告げると
「なぜ、とみ子さんとのぶゆきさんにはしみがなく、ももはしみだらけなのか」
を真顔で訴え、どうかそのクリームを一本譲ってもらえないかと、
必死で両親を、説得しているのだった。
(「ニッポン驚嘆記・22」につづく)
やっと今週に入り、
昨年11月の「日本滞在」の写真を整理しはじめました。
そしたら、1月4日に書いた「回転すしとへび焼き」にぴったりの
「驚愕するべラ」の写真を見つけたので、入れてみました。
これで、いいのかな~。
入力はじめてなので、緊張してます。
写真、確認しました~。基本OKです。
ただ、画像のリンクは不要かもっと思って、そこは今消しておきましたー。
どんどん使いこなせるようになってて素敵だ。
よ、よ、よろしくお願いいたします、クロ隊長。
隊長のチェックが入ると思うと、安心してトライできます。
「画像のリンクは消しておきました」
ありがとうございました。
何をしていただいたかもわからない、というのは
あまり日常の中ではありません。
この「身をまかせる感」が、すばらしい。
今後とも、どうぞよろしくレクチャーお願いいたします。