6. おしぼり自然水療法

こんにちは、ベラです。
今日は食事について、書こうと思います。
日本の食事タイムがスペインとあんまりちがうので
最初はたいへんでした。
日本は、朝食7時、昼食12時、夕食7時、だと思いますが
スペインは、それぞれに「2時間」プラスします。
つまり、朝食9時、昼食2時、夕食9時。

でも、解決法は、かんたんでした。
就寝、起床時間を、2時間ずらせばいいのです。
というわけで、僕は夜の10時には、寝るようになってしまいました。

日本人は、ほんとうによく「お米」を食べます。
でも、量はそんなに多くなく
「無数」のおかずが、つきます。
スペインでは、基本的に1品か2品、
メインディッシュである肉か魚を食べるだけです。
それに、サラダとパン。

その点、日本食はこまごまと少しずつ、小皿にいろんなものが入っており
「これには、これをつけて」
「ここには、これを入れて」
を、少なくとも3~4回、やらなくてはなりません。
まるで「ラボラトリオ(研究室)」のようです。

しかし、食事はどれもおいしく、彩りも鮮やか。
何より「お茶」や「お水」が無料で、何杯でもおかわりできるというのは
感激でした。それも、頼んでもいないのに
「はい、どうぞ」
と、空いたコップに注いでくれるのです。

スペインでは、有料であることはもちろん
あの、すばらしい「ホットタオル」の習慣も、ありません。
最初、のぶゆきさんと、とみ子さんが使っているのを見て
「僕もそれ、お願いします」
と言ったら、僕の目の前にある
丸めたナイロン袋を、手渡してくれました。

ナイロン袋をあけたとたん、もわっと立ち上がる温かな蒸気。
それを両手、顔に当てる。そのなんと気持ちのいいこと!
レストランにいながら、
僕は敬愛するクナイプ先生の「自然水療法」を、思い出しました。
「おしぼり」「お風呂」「湿気」をもったニッポンは
実はたいへんな「自然水療法・王国」だったのです。

そのことを身をもって知り、とてもうれしくなりました。
そしてあるレストランで、おしぼり、お盆、はしといっしょに、
小さく折られた美しい「折りづる」が出てきたとき
僕はまた、びっくりしました。
胃だけを満足させるだけではない日本人の
「目で楽しむ」「心で楽しむ」精神をはっきりと、感じたのです。
そして「相手を喜ばせる」という。
日本人の心の中には、自分だけでなく
「相手の人が入るスペース」が、ちゃんと用意されているのです。

その日本人独特のメンタリティは、
テレビを見ていても、いろんなところに現れていました。
そのことを、次回書いていこうと思います。

(「ベラの部屋・7」につづく)

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