スペインの新学期は9月。日本の4月にあたり学校も習い事もすべて9月に新しくスタート。だから私にとって8月は大切なリセットの月。
まずここ一年分の大整理にとりかかる。レッスンの写真や動画を保存&削除、資料や本、画材、衣類・・・
さらに。音楽と絵から完全に離れて生活する。そして。「頭を使わない生活」をする。これがとても大切。
「心と肉体オンリーの生活」というのは、実はなかなか難しい。特に頭がいい人には。自動的に頭を使っている。
ただぼーっとしているのが「もったいない」と感じる。のはわかる。休みの時間が限られているのだから。
しかし。ここで大切なのは「時間がもったいない」と思わないことなのだ。
「何もしていない」ので、生産性はない。一見「全く無駄&無意味」と思われるこの時間の中にこそ
「ひらめきやアイデア、自分の内なる声、無意識の領域、記憶や感動の蓄積」などとのコンタクトが眠っている。
ふだんは閉じられている扉が開くので「これから何をしていこうか」内なる声をじっくり聞くことができる。
考えている時には、聞けないもの、見えないものがある。とでも言うのか。
だから8月は、一年で一番「何も考えない月」。肉体的作業、肉体的アクティビティに徹する月。そして9月から始まる新しい一年に備える月。でもある。
で、地中海シンプルライフなのだ。体を動かして作業をし、食べ、歩き、泳ぎ、踊り、友人に会い、シエスタをし・・・
ものすごく活動する。そして同時に、まったく何もしない。もともと私の生活は緩急が激しい。自分でも時々ライオンのようだと思う。狩りか昼寝か。
連日3時間睡眠で、とりつかれたように絵を描く。かと思えばこんな「何もしない8月」も持っている。
さて、今日の写真は、テラスに置いてある手作りシエスタベッド。ソファもテレビも電子レンジもないけれど、私にとっては「テラスでごろん」とできる時間が何より大切。
そして。アトリエに入ったら「創ること」に集中。そこに生活感のあるドメスティックな物があってはだめなのだ。
「シンプル&クリアー」それが私の生活を貫いている。テラスは静。アトリエは動。スペースによって、心と体の置き方もはっきりと分かれている。
うちに来た友人が「まるでモナステリオ(修道院)みたい」と言ったことがあるが(笑)遠からずなのかも。