マラガ空港に着くと「サプライズ」が待っていた。スペインのwifiにアイフォーンがつながるや100もの着信表示。その中に重要なハビ吉のメッセージが埋もれていた。
「ありがとう!タクシーで帰るから大丈夫」気をきかせて言った。つもりだった。
「おかえり!マラガへようこそ。空港に着いたらメッセージして」の返事として。ところが返ってきたのは
「わかったよ。いつもそう」「もういいよ」「帰れってこと?」
旅の疲れと睡眠不足で、事態を解明できないまま呆然としていると
「空港の○○パーキングエリアで待ってるよ!」
という20分前のメッセージが、コピペされて再送信されてきた。
「見てなかった・・・今すぐそっち行く!」
しかし。返事なし。いかん。新年早々またケンカ?ものすごい勢いで空港の出口へカートを走らせたその時。
「ももーーーーーーーー!」
マラガ空港って声が響くのだ。余りの声の大きさに、出迎え集団が一斉にそっちを振り返る。もちろん私も。
「フェリス・アニョ・ヌエボ!(明けましておめでとう)」
そこにはハビ吉が立っていた。懐かしさで胸がいっぱいになる。「ありがとう」と心では思っているのに口から出たのは
「どうして日本を発つ前に空港に迎えに来るって言ってくれないの!」
「だって先のことはわかんないじゃん。約束できないよ」
ハビ吉は私の手からカートを奪い取り、駐車場へと突進した。1ヶ月ぶりの再会。いきなりスペイン語の生活が始まる。
待っている人がいる。だから、私たちは帰るのだ。場所でなく、人のもとへ。
それを実感して胸を熱くしていると、車は「私の家」とは違う方向へ走り出した。
「ちょっと、まさか・・・」「もちろん、このまままっすぐ帰るなんて思ってないよね」
帰りたい。シャワーを浴びて横になりたい。寝たい。オウムも心配。でも。ずるずるとハビ吉のペースに。
「クリスマスツリーは明日しまうんだよ。その前に乾杯しなくちゃ」
で、ダビーの家へ。まずはチーズにむしゃぶりつく。スペインのチーズは最高。濃厚でコクがあって。さらにサーモン&アボカドまで登場。弟たちに感謝。
スペイン語には「今年もよろしくお願いします」というフレーズは存在しない。その代わり、ハグがある。頬へのキスが。
ハビー、ダビー、アウローラ、あなたたちの長い友情に感謝します。ありがとう!
Javi, David, Aurora, muchas gracias por vuestra amistad. Os quiero mucho. Besos