バルセナスのリスト

スペインの「失業率」が、歴史上「最悪」となりました。
具体的に言うと、この3月で失業者が「5百万人」を越えました。
これは、スペインの何万という家族を、ローン返済・不可能に追い込んでいます。
職安5時間待ち、はもうふつうの光景で
ローンを払えず、文字通り「通りへ」追い出された人たちが
何の対策もしようとしない政府に向かって、怒りのデモを続けています。
ハンガーストライキから、最悪の焼身抗議まで。
追い出されるマンションの窓から、抗議の飛び降りを決行し
亡くなる人まで出るようになりました。

先日ニュースで伝えられた「失業率26%」に、スペイン人は震撼としました。
そのスペインの中でも、最悪の地方がなんと
わたしたちの住む「アンダルシア地方」です。
具体的な数字を出すと、アンダルシア地方の失業率は「35%」。
さらに、25歳以下の若者の失業率は「55%」。
専門学校を出ても、大学を出ても、仕事がなく
将来を危ぶむ若者で、怒りのデモはふくれあがる一方です。

こんな状況の中、市民を仰天させるニュースが伝えられました。
1月31日、スペインの誇る「エル・パイス」誌がなんと
現職のPP党の政治家を十数人、名指しで、
「出所不明のお金を受け取っていたこと」を、発表したのです。
これが今、スペインで大スキャンダルとなっている
「バルセナスのリスト」と呼ばれるもの。

政治家の実名、金額、日付が、見事に「手書き」で記されています。
その文字の主が、PP党の経理であるバルセナスであると発表されたことから
「バルセナスのリスト」呼ばれることに。
ちなみに現スペイン首相のマリアノ・ラホイは
リストによると、323,231ユーロを受け取っていたもよう。
PP党の現職者たちの名前がずらりと並んだリストに、怒りを通り越して
「辞職すべき!」
と、国民は叫んでいます。
その追及を、何とか阻止しようと、必死のPP党。

先日、マドリッドのTV番組制作会社が「800人解雇」を発表し、
大騒ぎとなりました。
800人ということは、「800家族が路頭に迷う」ことになります。
大規模なデモが行われ、特別番組も組まれました。

フタをあけてみればこの会社、
一年のうちに重役が23人から46人に増えており、
一人当たりの給料が、130,000ユーロ(年収)!
好き放題しておいて、お金が続かないから、って
「本当に仕事をしていた人たち」の首を切る。
いったいなんですかね、これは。

これだけ毎日スキャンダルが続いていて、
わたしが一番、信じられないことは
「それで、誰も刑務所に行かない」ことです。
つまり、誰も責任を取らない。

これで、どんな将来がスペインにあるのでしょうか。

 

 

 

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