春の到来とゼラニウム

いよいよ、春の到来。
「暦」の上でも。
ま、マラガは基本的に「夏」と「冬」しかないので
「春」「秋」のようなミドルシーズン、季節のうつりかわりがありません。
ある日、ある週を境に、いきなり寒くなり、暑くなる。

実はマラガで、一年で一番よく「雨」が降るのが、この3~4月です。
太陽のないマラガはさみしくて、寒くて、暗くて
晴天の続く1~2月より、3~4月のほうが寒かったりします。

さて、日本は、もうすぐ「桜」の季節ですね。
「桜前線」などという風流な言葉があるのは、
世界中で、ニッポンだけかもしれません。
日本は本当に「風流な言葉が多い!」とスペインにいると思います。
スペイン語は非常にロジックで、メンタリティも、またしかり。
その点、日本語は「自然に根づいた」日本人のこころが、
こうした言葉を生み出したのでしょうね。

「花吹雪」「3分咲き」「花ごよみ」「蝉しぐれ」「うぐいすの谷渡り」
「若草色」「もえぎ色」「五月雨(さみだれ)」・・・・

口にするだけで、字面を目にするだけで
「景色」「色」「音」が感じられる。
自然に対する、絶妙な「感覚」を備えている日本人。

みなさんは、ふつうに感じているかもしれませんが
「風情」「情緒」「季節感」は、日本人独特のものなのです。
これは世界的に、すごいことですよ。

スペイン人にとって「春」といえばまず
「サマナサンタ(キリストの復活祭)」です。
「季節(自然)」でなく「宗教」が行事の中心をなす、
というのが、ヨーロッパの特徴です。
それも「血だらけのキリスト像」をかついでパレードしたりして
かなり怖いです。ぜんぜん「春」は感じませんよ。

春、といえば
うちの5階のマンションのテラスまで、一羽の「蝶」が飛んできました。
1~4月は、うちのテラスのゼラニウムの花が満開なので
それでわざわざ、地上からこんなに離れたところまで、飛んで来てくれたようです。
南スペイン、アンダルシアの窓辺といえば「ゼラニウム」。
というくらい、どこの窓辺にも、この花が置かれています。
赤、ピンク、白・・・のバリエーションが美しく、何よりたくましい!
強烈な太陽を直接、何ヶ月に渡っても受けても、けして枯れることなく
まっすぐ頭をもちあげて、ポンポンみたいな花をつける。
「蝶」が現れて、花たちまで、うれしそうに見えました。

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「春の到来とゼラニウム」への4件のフィードバック

  1. 雨が降った時に、「今日は素敵な天気」って言われて、カルチャーショックでした(;゜0゜)
    太陽が観光資源のアンダルシアですが、この時期の雨で、萌えいづった緑が(雑草とも言うが(汗))とても綺麗で
    春の訪れって感じましたよ

    まー、家の中寒いわ、傘なんが持って無いわだけどね

  2. さすが、マラガ!雨が降って「今日はすてきな天気」。
    Tomilloよ~、するどい指摘をありがとう。
    そういえば、このあいだ「嵐みたいな日」に友人が
    「なんてすてきな天気」って、やっぱり言ってました(笑)
    ガラスにひっついて見るほどのものか~。

    3~4月のマラガって、家の中がものすごく寒くて
    外に出て「ええ~っ、こんなに暖かいの!」
    って、びっくりするんだよね。
    それでみんな、外をお散歩したりテラスでお茶したり、
    パセオ・マリティモ(海岸通り)を歩いたりして、暖をとる。

    わたしも1日2~3回はテラスに出て「暖」をとります。
    仕事のあいまに10~15分。
    それでも「ああ~っ」って、太陽の光が骨までしみこむ気がします。
    とかげみたいですね。

  3. 「風情」「情緒」「季節感」は、日本独自 ふむふむ・・・「名残」っていうのもそうだと思う今日この頃。

  4. 「名残」・・・・なるほど。スペイン語にはちょっと、訳せませんね。
    感覚的に、概念的にない。
    今、思ったけど「目に見えないもの」「自然現象」に
    日本人はよく、名前をつけますね。それも語感がよく、字面の美しい。
    漢字があるからこそ、生まれる「感覚」なのかも。

    「月の満ち欠け」に、いろんな名前がついてますよね。
    「三日月」「十三夜月」「望月」「いざよい月」・・・美しい!
    こんな国、なかなかありませんよ。
    日本人はもっと、自慢していいと思います(笑)

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