「限界に挑戦!4日間で応募プロジェクト」続編。まずロールのキャンバス地を、応募サイズの100×70センチにカット。それを壁の板に貼り、アクリル絵の具でペイント開始。
ところが、いきなり「大問題」が発生。私は下書きをいっさいしないので、いきなりキャンバス地に筆を運ぶ。
がんがんとアクリル絵の具で塗り進めていたら、なんと。キャンバス地が薄過ぎて
「ぐにゃ〜ん」「へらへら〜」
と、キャンバス地があちこちで波打ち始めた。もちろん下地を整える時間などなかったので、いきなり本番。
「や、や、や、いったいどうしたら」
正味2日間で完成。限界に挑戦。常軌を逸した制作スピードを強いられているので、まさかの「ストップ」に、しばし呆然。
時間があれば、もう一度キャンバスをカットし直し、下地からやり直せばいい。が、その時間さえ、ない。
「どうしよう。やっぱり無理だったのかな」
さすがに、自分が無謀過ぎたのだ。キャンバス地を壁からはがし、テーブルに乗せてじっと見つめる。色を重ねていくには
「塗った色が乾くのを待つ」
時間が必要。それさえ、ないのだ。落胆しながらも、私の頭は猛烈に回転していた。ただひたすら。フェリアのポスターを作りたい!その一心で。
「絵の具を乾かして、色を重ねる時間がない」
「キャンバス地が薄過ぎて、波打ってしまう」
この2つの大問題を15分以内に解決し、再び制作をスタートしなければ、とても2日間では描ききれない。
「いったい、どうしたら・・・」
色を重ねなくていい。へらへらに波打っていてもいい。そんなことがあるだろうか。アトリエの中をぐるぐると歩きまわる。
「絶対に方法はある。それも、今ここに!」
これが私の信条。方法はもう今の私の手の中にある。アトリエに置かれた作品や素材にひたすら目を向ける。今、私が試されているのは
「それに気づくことができるか」
なのだ。と、その時。それまで全く考えてもいなかったまさかの手法が、ぽんと浮かんできた。
「えっ、そんなのあり?」
しかし。それならば、全てが一気に解決する。色を重ねる必要も、へらへらに波打ったキャンバス地でも、全くかまわない。
「それしか、ない!」
唯一の問題は。手間が5倍くらいかかること。まさに時間との勝負になる。
「寝なけりゃできるでしょ」
大切なのは、前に進むこと。前に進む方法があること。絶体絶命と思っていた状況で「やり方」が見つかったとたん、ものすごいエネルギーが湧き上がってきた。
(明日に続く)
【写真】今マラガはジャカランダの花が満開。紫色の絨毯が広がり、歩くのが楽しい5月。