【一日一作プロジェクト】ベルデ・エスペランサ(緑は希望)。希望の芽がどこまでも伸びる「カメレオンの夢」。今朝、友人より悪いニュースが届いた。
「会社から解雇の連絡があった」
これから制服やカードの返却などをし、正式な手続きが始まると言う。再就職先を見つけるったって、こんな非常事態下。何ができるのだろう。
「スペインは観光で成り立ってる国。観光客が来なかったらおしまいだよ」「私にできることがあったら言って」
しばらく考えて、車を持っていないことを思い出し
「よかったら私の自転車を使って。もちろん、取りに来られるようになってからの話だけど」
「ももは?どうやって移動するの?」「歩けばいいよ。予定は秋まで何にもないし」
他に役に立てることが思い浮かばない。そばにいられれば、抱きしめることだってできるのに。これからは
「いきなり友達を抱きしめる」
ことすら、ないのかもしれない。少なくとも今年は。別の友人は、ヨーロッパから訪れる語学学校のホストファミリーとして働いていた。
「全てキャンセル。いつ再開できるのか、まるでめどが立たない」
コロナウィルスは、人の命を奪う。あっという間に。わずか数日で。落ち着いていた容態さえも急変させる、不気味な黒い影。
その一方で、コロナウィルスによる失業や休業は、じりじりと人の命を奪う。突然の生活の崩壊。前へ進めない焦燥感。まるで先が見えない絶望感。
「海へ行こう!」
もやもやとした頭を冷やしに。夜8時ジャスト。うちの前のビーチへ飛んで行く。波打ち際を歩いていると、波に洗われた濡れた小石が、宝石のようにキラキラ光っていた。
「まるで、私たちのように!」
報われない名のない小石。波に打たれて。でも、太陽の光を受けて、ダイヤモンドの輝きを放つ。
ベルデ・エスペランサ(緑は希望)。希望の芽がどこまでも伸びる「カメレオンの夢」。闇の中で、希望は自らの輝きを放つ。祈りを形に。