【一日一作プロジェクト】布&ひもで「絶望と涙を吸って咲く花」を作った。9月のマラガが好き。観光客も去り、落ち着きと素朴な表情を取り戻した、空も光も海も風も透き通った9月。
「その、私の大好きな9月が、ベラを奪っていった」
5年前。祈っても、どれだけお願いしても、何かと引き換えにしても、だめだった。私の願いは、聞き届けられなかった。
「絶望と痛みで私を叩きのめした9月」
を忘れない。そして。その怒りと悲しみの中で「アーティストとして生きる」と決意したことも。
「絶望こそが、私のアーティストとしての出発点」
この色にあふれる、燃え上がる命の世界の出発点が「絶望と涙」だと、誰が想像するだろう。私の作品も、私自身も
「絶望と涙を吸って咲く花」
だと思っている。だから、こんなに色鮮やかに、今日の命のかぎりを尽くして花を咲かせる。
「絶望さえ、極彩色の世界を創り出すことができる!」
その自らの体験は、私のアート道を支え、視界をいつもクリアーに保ってくれた。いやな出来事にあうたび、心がかき乱されるたび、そっと自分に問いかけた。
「それほど大事なことだろうか。来月死ぬとしたら」
たいていは、ノーなのだ。「死を目の前」に、私たちの視線は「かけがえのない時間」の方へ注がれる。
「明日も、来月も、来年も生きると思っているから」
悩むのだ。今の私は、今日、今週、今月しかないと思って生きている。「一日一作プロジェクト」も、そんな気持ちから生まれた。
「絶望と涙を吸って咲く花」
天上に住む、愛する者たちへ。お供えの代わりに、捧げ物アート。今日はベラの命日。朝からピアノを弾き、絵を描き、海へ行った。なんという穏やかさ。
「同じ9月が、今では安らぎとインスピレーションを届ける」
人生は不思議だな。鮮血が吹き出した傷口、その同じ場所から、今では勇気とアイデアが湧き出てくる。
ベラ、あきれてないで、ちゃんと私を見守っていてね!(笑)