【一日一作プロジェクト】石ペイント&楽譜で「遊弓音」「夜香花」を作った。朝起きるとまず「作業着」に着替える。絵の具のついた指先を直接「服」でぬぐうので
「私自身が歩く雑巾」
のよう(笑)。基本的に動きやすく、体にフィットしたスポーツ着を使用。ひざまずけるようストレッチ素材のウエストゴム。頭にはヘアーバンド。
「知らぬまに顔や髪、体中を触ってしまう」
らしく、鏡をのぞくたび、絵の具があちこちに飛び散っているのに驚かされる。
「なぜ頬と額に⁉︎」「なんで背中に」「メガネにまで!」
そんなわけで、作業が終わる夕方まで「鎧」のごとく、作業着を身につけている。だからこそ、これを脱いだとたん
「あぁあ、一日が終わった」
感に、心も体も包まれるのだ。逆に言うと「作業着」を身につけることで、制作モードに
「パチンとスイッチが入る」
眠くても、やる気がなくてもパチン。瞬く間に切り替わる。ユニホーム的役割なのかも。
「遊弓音(あそびゆみおと)」
バイオリンの音色が遊ぶように飛びはね、舞い上がる。ベラの持っていた楽譜にラクガキ。マラガの浜辺の石にペイントしたペーパーウエイトアート。
こういう作品を作りつつ、床や別のテーブルでは、絵の具をガンガン使ってペイント。以前は「雑巾」を使って、ちゃんと手をぬぐっていた。それが
「その間も惜しい」
ほど、突き動かされるように絵を描くようになり、気がついたら「服が雑巾化」。特に「右もも」はパレットのごとく。
「おお〜っ、花みたい!」
笑。絵の具の汚れが一箇所に集中して、まるで「一輪の花」のよう(写真)。無造作に同じ場所で指先をぬぐっていたらしい。
「夜香花(やこうばな)」
せっかくだから、美しい名前をつけてあげた(笑)。私は偶然の効果を狙った作品は作らない。明確な意思で、描く。作る。だからこそ、無意識のくり返しで
「作業着の上に花が生まれたこと」
に、小さな感動をおぼえた。闇の中、花火のように大輪の花を咲かせる夜香花が、私を見上げてぽつりとつぶやく。
「見られるから咲くんじゃない」
そのまなざしに、どきりとした。この先「作業着」はどんどん絵の具にまみれていくだろう。でも、夜香花は言い放つ。
「汚れ、なんかじゃない」
何ものにも命があり、存在する意味がある。さらなる色、さるなる形へ。出世魚のようにその姿と名前を変えながら。「花」の次は何になるんだろう。楽しみだな。