【一日一作プロジェクト】キャンバス地にペイントして「突き刺し、踊り、誘うぴかりとラテンジャズ」を作った。もらいもののキャンバスがアトリエにごろごろしているので
「楽描きするようにペイント」
できる。なんというすばらしさ。「紙」のように気軽に手に取り、しかし丈夫なキャンバス地は
「厚く塗ったり、重ねたり、混ぜたり」
ワイルドに遊ぶことを許してくれる。寛容(笑)。今期は何でもいいから「やったことのないこと」を何か一つ、どの作品にも課している。ので、だいたい途中で
「なんだこれは⁉︎」「全然好きじゃない」
という状態に陥る。正直、うれしくない。時間もエネルギーも注いだのだ。そして。これが不思議なのだが
「どうせ捨てるんだから」
と、半ば自暴自棄ぎみに「壊してしまえ」「やっちまえ」的に試したことが
「新しい扉を開く」
結果として。今期の作品のほとんどは、そういうプロセスをたどって生まれている。
今日の作品も、10回近くステージを踏んで、進化し続けた。スタート時とは、まるで異なる姿へ!
「何が現れるのか」
予想もつかない。だからこそ一日の終わりに、思ってもみない「新しい自分」を、毎日驚きを持って迎えている。
「新しい作品を作りたかったら、新しい自分になればいい」
どんどん遊んで、どんどん冒険して、どんどん失敗して。どんどん壊して。それは、めくるめくような瞬間の連続だ。
「『ほぼ失敗』が『これだ!』というものに生まれ変わる瞬間」
それは劇的な、一発逆転の瞬間。憑きものがすとんと落ちるような。トンネルからふっと抜け出るような。闇が光に一変する、神秘の体験。
「突き刺し、踊り、誘うぴかりとラテンジャズ」
青空の下、マラガの強烈な光(ぴかり)が降り注ぐ。ピアノの上に。突き刺すように、踊るように、誘うように。だから、ピアノも踊り出す。ラテンジャズを奏でながら。
弾かなくても、ピアノはいつも一緒にいる。弾かないからこそ、「楽器」から「宝物」に変わりつつある。「手段」から「存在」へ。
毎日、前線を共に闘い抜いた戦友、どんな時もそばにいてくれた親友を、アートにできるのがうれしい。思いを形に。