【一日一作プロジェクト】カリグラフィアート組画シリーズ「夢」を作った。雪の降らないマラガ市内でも、大寒波が襲うと
「モンテ・デ・マラガには雪が散らつく」
直訳すると「マラガ山」。東はアサルキア、西はフエンヒローラ。北はロンダやアンテケーラの山々が一望できる。
「行ってみよう!」
マドリッドから無事帰還したハビ吉の運転で、何十というカーブを曲がり、林を抜け、ひたすら坂道を登って行く。
「トルカルだ!」「ロンダの山脈だよ」
市内からは見ることのできない、はるか遠くの村々や山の稜線がはっきり見えて大興奮。この辺りにはレストランもいくつかあって
「ドライブがてらにランチ」
を楽しむ人たちで、週末は賑わう。私たちが行ったのは、もう午後4時半過ぎだったので、夕陽が傾きかけていた。
このドライブコースの魅力は、マラガ市内から車でわずか20分で、一気に標高900mの地点までたどり着けること。
「プエルト・デル・レオン(レオン峠)だ!」「カフェテリアがあるよ」「お茶できるかな」
なんとかギリギリで飛び込む。温かい紅茶が、固まった体を溶かしていく。ここまで来ると、マラガ市内とは比べものにならないほど、空気が冷たい。
「先日の大寒波では、雪もちらついたんだよ」
そうであろう。ごごーっという風の音が、耳の底で響く渡る。お茶した後は、アサルキアの山々を眺めながらひたすら下り坂。マラガ市街では見ることのないコケまで生えている。
「今、気温3度!」「寒っ」
マラガのセントロを出た時は、確か12度だったはず。ドライブで訪れるのはいいが、住むとなったら大変だ。
「あんな所に家が」「こっちにも。誰が住んでいるんだろうね」
丘の斜面にへばりつくように、細いぐねぐね道や、白い家々が浮かんでいる。何十というカーブを曲がりながら、海辺まで降りていくと
「あれ、あったかいよ」
窓から手を出してびっくり。10度は軽くありそう。寒いけど、血管がきゅっとはならない。
「ヤシの樹と地中海だ〜」
空にはカモメが。私のよく知るマラガ。とたんに身も心も「だらっ」となる(笑)。20年以上も前に、私がたどり着いたマラガの町は
「音楽屋になる『夢』を後押し」
してくれた。だからこそ。今年は「マラガの町にアートでお返し」したい。どんな「夢」を形にしよう。