【一日一作プロジェクト】雑巾アート「千花舞(ちばなまい)」を作った。絵の具まみれの「雑巾」を新調しようと手に取った瞬間、はっとした。
「千の花が咲いている!」
頭をガツンとやられた。こんな場所に。誰にも知られることなく。小さな花びらを懸命に広げて。全力で生きている。
「このままで、作品だ」
何も考えず、ひたすら「手をぬぐっていた」場所に。命が宿っていた。私の意志とはまるで関係なく。誰に頼ることもなく、雑巾は一人で
「アートに姿を変えた」
のだ。何ヶ月もかけて。毎日毎日。ひたすら「絵の具という種」を受け取りながら。同じ作業テーブルで。声も立てず。
最初は真っ白だった布が、ここまでなるには、何ヶ月という時間が必要だ。しばらく眺めているうちに、熱いものがこみ上げてきた。
「毎日毎日。一緒に作り続けてくれたんだな」
どんな時も、すぐそばにいて。共に「一日一作プロジェクト」に挑戦し、作業を分かち合ってくれた。ごわごわになるまで。もう水を吸い取れなくなるまで。
「今日の一日一作に、なってくれる?」
その答えは、彼女の声は、あまりにはかなすぎて、私の耳には届かなかった。でも。撮影の間、それは誇らしげにカメラの前にたたずむ姿を見るのは、本当にうれしかった。
「もう、雑巾じゃあない」
そうだよね。美しい名前だって、今はある。声を持たないものたち、私たちの毎日を応援し支えてくれるものたちを大切にしよう。ありがとうの思いをこめて。
「千花舞(ちばなまい)」
千の花が、自由に舞いおどる。サインを描き込んで思ったけど、コラボ?(笑)。
半年間、本当にお疲れ様でした。今日からはアトリエの棚の特等席で「一日一作プロジェクト」を見守っていてね。
(その横で私たちを見守るのは、もう一枚の・・・笑。あさってくらいに続く)