絶望の中の希望・手続き問題6

【一日一作プロジェクト】「絶望の中の希望」を作った(2022年の作品を紹介中)。「手続き問題・6」。ココを日本に連れて行くため

「フランス政府へ申請をスタート」

書くと1行だけど、とにかく大変。まずフランス語がわからないので、フランス語による大量の情報をスペイン語に翻訳。それをノートにまとめるだけで丸1日。それから

「スペイン語でビジネスレターを作り、それをフランス語に翻訳して」

メールで送る。さらに。たとえ返事が届いても、もちろんフランス語なので、何を言っているのか全くわからず。ひとつひとつスペイン語に翻訳し、内容をノートにメモ。質問するにもしかり。ふだんのメール作業の10倍くらい時間と労力かかる。

「めんどくさい、と通り越して頭から湯気が〜」

まぁ、相手がフランスの「○○省」なので、対応がそっけないのは予想していた。にしても、そのレベルがケタ外れに、冷たい。

「相手にさえしてもらえない」

スペイン政府や日本政府の方が、ずっと「質問に答えよう」という姿勢が感じられる。ダメな理由も教えてくれる。何度かトライしてみるも、結果から言うと

「スペイン国籍なんだから、スペインで解決すれば?」

で、終了。そうなんだけど〜。日本政府がスペインからの鳥の入国を認めてくれないから、フランス(パリを含む5県)しか実質的に可能性がない。頭を抱えてデスクに突っ伏していると

「ぷぷっ」

よろよろとココが寄ってくる。ごめんね。お母さん、ランチ作るの忘れてた〜。朝からメール作業を6時間。大好きなジャガイモとにんじん、今茹でるからね〜。

「ひゅーい」「ぎゃん」「ぷぷっ」

不思議な音をたてながら、ランチに喰らいつき遊び回るココ。たとえ一部屋でも、一時的でも、かけがえのない我が家。その幸せな姿に元気をもらいながら、もしかしたらだめかもしれない、との思いがよぎる。相手が政府機関では。でも、

「はい、そうですかとは絶対に言わない」「引き下がらない。」

決めたのだ。前進あるのみ。想像力を働かせ、ありとあらゆるアプローチの仕方を。正面がダメだなら、裏から上から下から横から斜めから。ホップステップジャンプ。なんでもあり。

「1%の可能性を自ら作り出す」

それしか道はない。部屋にある唯一の家具、3段引き出しを「自分の陣地&ベッド」に決めたココ。めちゃごきげん〜(笑)。「ははは」と思わず笑みがこぼれた瞬間、ふっと新しい考えが。

「もしかして。フランス人(国民)が申請すれば、政府の対応も違うのでは?」

さっそくフランス在住の友人に連絡を取り、フランス政府に申請をしてもらう。たとえ「ノー」と言われても

「この条件が足りない」「こうすればできます」

的な、具体的な説明がもらえるのではないか?たとえ1ミリでも前に進めれば。1%の可能性を信じて待つこと数日。ついに、フランスの友人からメールが届く。

「もも、残念だけど詳しい説明は何ももらえなかったよ。やる気もないし、あきらめた方がいいかもしれない」

自国民に対してもそんな態度なら、私のような外国人など、相手にしてもらえるはずがない。でも、どんなに「ノー」と言われても「はい、そうですかと言わない」「引き下がらない」と決めたのだ。

しばらくベッドに突っ伏していると、新しい考えが浮かんできた。衛生証明書を作ったり隔離・検疫をする動物病院(獣医)なら、詳しい事情、条件を知っているかもしれない。がばっとベッドから飛び起きると

「パリを含む5県の、鳥を扱う動物病院をすべてリストアップ」

することにした。まずはフランス語でインターネット検索。ざっと150軒あまり。読めない文字というのは、書き写すのにも時間がかかる。まちがいも頻発。それでも、よく使う言葉は暗記ですらすら書けるようになってきた。

「よしっ、全てにメールを送ろう」

動物病院に勤める獣医さんなら、動物が好きなはず。私たちの置かれた状況を伝えたら、何か知っていることを教えてくれるのでは?その1%の可能性に、私はかけることにした(つづく)。

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