夢道・手続き問題・7

【一日一作プロジェクト】「夢道」を作った(2022年の作品を紹介中)。「手続き問題・7」。日本政府から

「パリを含む5県からは鳥の輸入ができる」

との回答を受け、パリ周辺5県で「必要書類をゲット」「検疫隔離(21日間以上)」「シャルル・ド・ゴール空港へ移動」というプロセスに向かって猛進。その要となるのが

「輸出許可証、および衛生証明書」

この2つの書類がなくては、まずスペインを脱出することすらできない。さらに、輸入国(フランスや日本)が要求する書類も揃えねばならず。先は長い。なにしろヨウム(ココ)は

「ワシントン条約の絶滅危惧種・カテゴリー1」

最上級なので、国際移動は困難を極める。そこで、パリ5県の鳥を扱う全ての動物病院へメールを送り、私たちのケースを相談することにした。

「なんでもいいので情報をください。お願いします。これまで20年間一緒だった私たちを、どうか引き離さないでください」

スペイン語で書いた文章をフランス語に訳し、動物病院へ送る。ざっと150軒あまり。日本政府とフランス政府からの回答、私たちの写真も添付して。ここまで、フランス政府の冷たい対応に慣れていたので、メール送信した翌日早々

「動物病院の先生たちから個人的に返事が来た」

のに驚いた。そして、翌々日には十数人から。メールを開くたびに、フランスからメールが届いている。なんと1週間で、ほぼ30%近いドクターから返事が。とはいえ、フランス語がわからないので、ひとつひとつ翻訳してノートにまとめる。

「○○に連絡してみては?」「△△に確認を取ってください」

固有名詞がバンバン出てくるので、ひとつひとつインターネットで検索。とはいえフランス語なので、何もわからず。ひたすら翻訳してノートにメモ。果てしない作業が続く。あっという間に

「ノート1冊分」

こんなに勉強するのは久しぶりや〜。新しいノートを購入し、再びデスクに広げて翻訳&情報整理していると、ココがふらふらとやって来た。なんとかして引き出しの中に入ろうとする。

「ぷぷっ!」「何すんの⁉︎」

そこにいたら、作業できんやんか〜(写真)。さて。結果から言うと、この10日あまりの「パリ周辺動物病院150軒メール」作戦。いくつかの新情報をもたらしてはくれたけれど、

「彼らでさえ明確な情報、道はわからない」

ことがはっきりした。つまり「正面玄関からは入れない」ことが、わかった。それだけでも前進。そして。実にたくさんのドクターが、いきなりスペインからメールを送りつけた突拍子者の私に

「一緒になれるよう祈っています」「健康そうなオウム君。道が開かれることを祈って」「何も力になれず申し訳ない。絶滅危惧種の手続きはかなり困難です」「動物は家族。どうか一緒に暮らせますように」

と、応援メールを送ってくださった。読んでくれただけでもありがたいのに、心温まるメッセージまで。そこで、はっとする。そうか。

「『公(正面玄関)』がダメなら『私』という手が」

再びスマホを握りしめ、インターネット検索。個人で話ができるところ。個人店、業者。私たちのケースをビジネスとして受けてくれるところ。

「国際引越し業者はどうか?」「国際動物輸出入業者は⁉︎」

プロに金で頼む。という方法は?餅は餅屋というではないか。素人の知らない情報、コネクションを持っているのでは?はたして。この方向転換は、私たちに新しい可能性をもたらしてくれるのか(つづく)。

★作品紹介「夢道(ゆめみち)」。道はない。歩いたところが道になるのだ。私たちはただ歩いていけばいい。「道」文字の中に「夢」文字が隠れている。

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