【一日一作プロジェクト】「己風」を作った。数年ぶりの家族親戚旅行。秀兄ちゃん(叔父)&あっ君(いとこ)と豊橋駅で待合せ。
「豊橋に早く来てぶらぶらしてる間に、ビール2杯も飲んじゃったよ」
暑いもんね〜(笑)。今回の旅の目的は、ホテルでひたすらのんびり。観光なし。外出なし。飲んで食べて、おしゃべりしてゲームして、心ゆくまで温泉につかるゆったりプラン。
「ワインとおつまみ、持ってきたよ」「こっちはウイスキー」
やる気満々。2人とも元気そうで何より。ってか、あっ君が筋肉隆々になってるのに驚いた。聞けば、連日の筋トレの成果とな。後でいろいろ教えてもらおう。
まずはJRで静岡県の新所原へ。豊橋からわずか15分で静岡県へ。県をまたぐと「旅感」がぐっと増す。新所原で天竜浜名湖線に乗り換えなのだけど、
「7分しかない」
大丈夫なのか〜(汗)。いったんJRの改札を出て、天竜浜名湖線の駅まで移動。現金で切符を買わねばならない(カードは使えず)。その時、前方におもちゃのような紫色の列車が。
「あの列車じゃない⁉︎」「一両だけなんだ、さすがローカル線」「うわっ、あと4分!」
ポールを持った父も、急に勢いよく歩き始める。なんせこれを逃すと、次は1時間後。1時間に1本なのだ〜。なんとしても乗り込まねば。
「間に合った!」「発車2分前ってすごくない?」
座席に座ったとたん、列車が走り出す。汗がじんわり。この辺りは三ヶ日みかんの産地。車窓の風景はひたすらみかん畑。のどかでいいのう〜。そしてついに、浜名湖が見えてきた。
「ホテルの車が迎えに来てくれるって」
奥浜名湖駅に降りると、そこは熱帯気候だった。木々がうっそうと生い茂り、ジャングルムード。駅の周りには、何もない。見事に。想像をはるかに越える、すばらしき辺鄙感。
「知らない土地、風景って、それだけでバケーション気分」
天気はイマイチだけど、私たちのテンションが高すぎて、全てが輝いて見える〜(笑)。何よりこの2年、流浪の民で、住む場所を点々とし、手続き問題に追われ、制作活動にも集中できず、心身ともに疲弊していた私にとって、
「家族親戚は定住のシンボル」
安心感というのか。さて。部屋に入ると、どどーんと浜名湖が広がっている。これっしょ〜。そして、私たちのこだわりポイントは和室。なんせここが、これから行われる
「飲み会&ゲーム大会の会場」
なのだ。まずは、私が持ち込んだチリ産ワインで乾杯。4人のグラスがカランと心地よい音を立てる。前回の家族親戚旅行は、6人だった。
「母がいて。敦美お姉さん(叔母)がいて」
2人を亡くして、私たちは4人になった。それでも、2人は私たちの心の中、会話の中で生き続けている。ここ10年くらい、親戚が集まると病院や看病や葬式だったので、
「これからは一緒に出かけたりしたいね」「私、伊勢神宮に行きたい!」「次回は鳥羽にするか」「予約しとくわ」
あっという間に、次の旅行が決まる(笑)。生きているうちに、生きていることを楽しもう。時間は有限、一緒にいられる時間は限られている。
「己風(おのれかぜ)」
4つの「己」文字が重なる。それぞれ違う人生が、ひととき重なる。そこに「風」が生まれる。異なる波動がひとつになって。不思議なハーモニー(調和)を生み出す。
「笑いかけられる幸せ、笑い返してもらえる幸せ」
「ももちゃん」と呼ばれる時、私はただの「娘」「姪っ子」「いとこ」に戻る。ギターを弾く秀兄ちゃんの足元にまとわりついて、足蹴りにされていた日々が懐かしい(それさえ遊びだった)。あっ君はどんどんカッコよくなっちゃうし〜。
「点数表を作ってきたよ」
という父が、スペインのドミノゲームを取り出す。ワインとドミノ。うぉーっし。やるぜ〜。さてはて、どんな一夜になることやら。(明日に続く)