手続き問題33・命パーツ

【一日一作プロジェクト】コラージュ用の「命パーツ」を作った。「手続き問題・33」。マラガではルームシェア生活なので、

「ベッドと床を使って」

おもちゃ作り。そこしか広いところがない(汗)。いつでもどこでも移動できるよう、最小限の荷物。部屋の隅にはスーツケースとリュック。流浪の民ライフにも慣れてはきたが、

「たえず移動中」

というのは、心身の消耗が激しい。なにかと不便だし、どこか中途半端。たえず「いきずり感」がつきまとう。半日かけて、20個ほどおもちゃを作り、さっそくクリニックへ。

「いい子にしてた〜?」「ひゅいっ」

ごきげんさん。A先生いわく、私の姿を見てから、ココがすごく落ち着いたとのこと。よかった〜。いつものように鳥かごから出して、しばらく一緒に遊ぶ。

「隔離施設の場所はまだ決まらないんだよね?」「連絡待ちです。A先生のクリニックだといいんだけど」

そしたら移動することなく、このまま隔離に入れる。ココにとっても「慣れた場所」なので、ストレスが少ない。さらに、マラガ空港も使える。

「どうか私たちをお守りください」

心の中で祈る。スペイン政府にしたら、私たちがどこで隔離したって同じだろうに。ハードルを下げることも、高い壁を作ることもできる。全ての決定権は彼らが持っている。そして、私たちは、

「従うしかない」

一方的な関係。正直、ただひたすら従うのに疲れてきた。乗り込んで直訴して解決に導きたい。そういう直接対決からのがれるために、デジタル化(メール受付のみ)にしたんとちゃう?

「ぷぷぷっ。ひゅーーーい」

鳥かごに取り付けたおもちゃで、ココがうれしそうに遊ぶ。早く出してあげたい。ここから。おもちゃの入った袋をA先生に手渡し、クリニックを後にする。バスでマンションへ帰還。

マラガ市内といえども、住んだことのない地区は、まるで新世界。バス停、八百屋、スーパー、薬屋・・・歩き回って、だいたいのインフラを確認。1、2日でさくっと覚えなくては、とても使いこなせない。

「今日も15000歩」

へとへと〜。少し休むつもりが、気がついたら寝落ちしていた。思えば、日本を出てからノンストップ。旅の疲れをとる暇もなく、打合せ、手続き、時差、新生活への適応・・・。でも、大丈夫。私には

「強制終了シャットダウン」

システムがついている。限界を数回超えると、自動的にブレーカーがふっ飛ぶ。体自身が「こんなに無茶されたらたまらんわ〜」と、勝手にオフを決め込むのだ。

「頭でなく体が主導」

自衛システムに守られながら、夜8時に爆睡。気がついたら、朝の7時。なんと11時間も寝ていた。むっくりと起き上がり、通りのバルへ。テラス席に座ってゆったり朝食。

「朝日を浴びてエネルギーチャージ」

これっしょ〜。太陽教。がつがつと朝食を喰らっていると、スマホの着信音が鳴る。見れば、動物輸出入業者のMさんから。これは、隔離施設の返事では⁉︎心臓がきゅっと縮み上がる。祈りながらメールを開く。と・・・

「スペイン政府から、回答がありました。マラガの動物病院での隔離が許可されました!」

おぉお〜〜〜〜〜!!!よっしゃーーー!思わず吠えてしまう。「ケ・ビエン!(よし、やったぜ)」と拳を突き上げると、隣の席の姉さんが、笑いながらウィンクを返してくれた。

「運が向いてきた!」

スペイン政府は、特別措置を取ってくれた。これまですでに半年以上、書類の発行を待たされていること。長期間に渡るケージ生活で鳥の心身に影響が出始めていることなどをかんがみて、

「マラガの動物病院での隔離を認めます。ただし、政府機関の職員が、隔離条件が満たされているか確認に伺います」

来てくれーーーーーー!いつでも。長かった手続き問題。やっと、希望の光が見えてきた。さっそくA先生へ連絡。「ブラボー!」と歓喜の声が上がる。その一方で、次は国際移動問題。

「どのルートで、どの航空会社にココを乗せるか」

鳥インフルエンザ発生地は日に日に拡大し、スペインから日本への経由地として、ヨーロッパではもう利用できる空港がない。いったいどうすれば?どこに行けば?手続き問題、100本ノックはまだまだ続く。(明日に続く)

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