手続き問題43・最終回

【一日一作プロジェクト】「立体アートパーツ」を制作中。「手続き問題・43」。最終回。

「ココ〜、おうちに着いたよ!」「ぷぷぷっ」

ケージから勢いよくココが飛び出す。やっと、やっと、やっと。この瞬間が。スペインからカタール、搭乗拒否で保管施設へ。さらに成田空港の保管施設で1泊。最後は電車に新幹線。そして車。のべ4日に渡る長旅。

「いったいどこに行くのか」「どこに自分は連れて行かれるのか」

先がわからないことほど、怖いことはない。馴染みのない言語、見たこともない景色、ガタガタと揺れ続けるケージの中でひとりぼっち。不安でいっぱいだったはず。なのに、家に着くなり、

「ひゅーーーいっ」

ごきげんで遊び始める。なんて元気なのか〜。さすが一生5歳児。エネルギーの塊。国際移動のストレスでもっとボロボロになっているかと思いきや、信じられないほど元気。羽もつやつや。

「私の方がよっぽどぼろぼろ」

あまりの緊張感&アドレナリンマックスで。この数日間の戦闘モードで。こんなこと続けてたら寿命が縮む。2年で完了できて、本当によかった。正直、自分の限界をはるかに超えていた。

「ひゅ〜い」「やっほー」「ぎゃん」

おたけびを上げながら、ソファ、クッション、丸イス、カートへ飛び移り、遊び回るココ。私たちの夕食にもさっそく参加。

「バナナ食べる?」「ぷぷっ」

皿をのぞき込みながら、興味津々でテーブルを歩き回る。父がブロッコリーを差し出すや、迷いもせずにがぶっ。大笑いする父と「にんじんもよこせ」と催促するココ。

「日常が戻ってきた」

眠ってしまいそうな幸福感。どこに行っても居場所がなく「消えてしまいたい」と願ったあの日。何をやっても、どんなに努力しても拒絶され「ノー」の100本ノックだった日々。流浪の民で、何も持てずひたすら移動する暮らし。それらは、ついに終わりを告げた。

「希望は、絶望でできている」

長い長い道のり。涙のかけらでできた道。父と2人、お供え台に手を合わせる。お母さん、ベラ、とくばあちゃん、敦美お姉さん。私たちを守ってくれてありがとう。

そして、ここまで応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。かなり途中のプロセスをはしょりましたが(実際にはもっと20転30転した)、

「書くたびに悲しみや怒り、絶望がよみがえり」

簡単なダイジェストにさせていただきました。今はただ、一緒にいられる幸せをかみしめ、心穏やかに毎日を過ごしています。

しばらく「手続き」はしたくない。全てスマホで手続きを進めていたので、スマホさえ見たくない症候群に陥っています。とはいえ、9月中旬から「ブログの引越し」に取りかからねば〜。

「手続き問題」これにて完。明日からアート&日常ブログに戻ります。大雨に気をつけて、みなさますてきな週末を。

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