大画・ひまわり

【一日一作プロジェクト】「大画」を制作中。どうしても上の高い部分を描き込む必要があり、意を決して、

「ピアノのイスに登って」

ペイント。横幅もあり、頑丈なので安定感がある。肉離れであまり登り降りできないので、じーーーっと絵を見つめ、ペイントする所を数カ所決めてから。左足だけで、ええいっと登る。

「次は白。その横の黄色もお願い〜」

父に絵の具や筆を取ってもらいながら。これ全て、登り降りを最小限にするため。ふだん、大きなサイズの作品は、

「描いては後ろに下がって全体を眺めながら」

描き進める。全体のバランスが大切。とはいえ、片足でのイスの登り降りはかなりの苦行(な上、危ない)。特に降りる時、右足をかばって左足をできる限り深く曲げるので、ものすごい筋トレ。

「後からまとめて全体のバランスを見る」

という荒技。自分を信じて突き進むのみ。あと1日で完成の予定。ここまで来たらやるっきゃない。作業室の父は、私のペイントを手伝ったり、ココに食事をあげたり大忙し。

「全体にはっきりしてきたね」「うーん、あの辺が物足りないかな?」

ダメ出しまで。完全にアシスタント(笑)。お世話になります。話は変わって。ココのおやつ用の「無農薬のひまわりの種」ゲットに向けて、お隣さんに、

「種を分けてもらえないか」

聞いてみることに。ひまわりの花が5、6本、あれだけ枯らしてあるところを見ると、種の収穫のためにちがいない。最近、父のやる気がすごい。来年は絶対に、

「ひまわりとスイカをうちの庭で作る!」

と言い切っている。そのためなら、日本庭園風の巨石の撤去もなんのその。ついに「つくばいコーナー」の巨石群を粉砕、撤去できる運びとなった。ここぞとばかりに、父に告げる。

「あさって、巨石を運び出す業者さんが来るから」「ええっ、あさって⁉︎」

驚きつつも、すぐにてきぱきと「ご近所さんに連絡しないと」「粗品の用意も」「えーと、向こう3軒だから全部で12個か」などと、動き始めている。きっと父の脳内には、

「巨石群の跡地に広がる、ひまわりの花と地面を転がるスイカ」

の姿が、浮かんでいるのにちがいない。夢は私たちを前に歩かせる。実現の歓びで、エネルギーが波のように、たえず満ち満ちてくるのだ。壊れたつくばいは誰も幸せにしないが、

「畑は家族みんなを幸せにする」

さて、夕方。畑仕事帰りのお隣さんを見かけ、よろよろと駆け寄って行く。「ひまわりの種がほしい。ください!」とお願いすると、すぐに1本持って来てくださった。

「ええっ、オウムちゃんが食べるの?おいしいといいけど〜」「ありがとうーーー!うれしい〜」

貴重な1本。そうっと両手で受け取り、すぐに天日干し。来年はこの種で、父がひまわりを作る予定。巨石群の跡地に。思えば、これ全て「石を粉砕?撤去⁉︎はあぁっ⁉︎(何言っとる)」から始まった。あの時、やめないで本当によかった。

「拒否や拒絶を、そよ風のように受け流して」

信念を貫きましょう(笑)。その先に、夢の実現があるのなら。来年は父のひまわり畑を一緒に眺められるかな。楽しみ〜。

今週末からいよいよ、秋らしくなりそうですね。暑さもあと少し。みなさま、すてきな1週間を。

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