スペイン帰国がせまり、
私が必死で荷物をまとめる間
ベラはのんびりお茶を
飲みながら、母と指相撲。
今回の日本滞在で「指相撲」
と「じゃんけん」をおぼえ、
満足げ。スペインに戻って
布教するらしい。
帰ってきた父までつかまえて
「じゃんけん、ポンっ」
そういえばスペイン人は
じゃんけんで物を決める、
ということがない。
「じゃ、何で決めるの?」
「・・・・・・・話し合って」
特訓のおかげで、やっと
スピードがあってきたベラ。
のどかな光景だなー。
私は一人、23キロのスーツ
ケースづくりで汗びっしょり。
一人2つ、持っていけるので
合計46キロの荷物、プラス
手荷物10キロ。
一人計56キロを、新幹線に
乗り大阪まで持って行くのだ。
壮大な旅だ。
昼食のうどん屋で
「はい、ゴマすって!」
「こうですか?」
なぜかもわからずゴマを
すり続けるベラ。すべては
日本の文化を理解するため。
「おおーっ・・・」
ランチのセットで、お寿司&
天ぷらがくっついてくる。
このすばらしさ!
なぜ、こういうランチセットが
マラガにはないんだろう。
これで10ユーロだったら
行列できるなぁ・・・
お昼の後は、再び荷物作り。
ベラは台所で母と
「手たたきゲーム」。
このあと、床暖房でお昼ね
なのだから、いい生活だ。
「もっと早く、日本に来たかっ
たなー」
そりゃそうでしょう。
まだ、一人56キロの荷物を
かつぐことは知らないのだ。
スーツケースはいいとして
スポーツバッグの23キロは
肩にぐいいっと食い込む。
これで大阪駅を移動は
かなりきついかも・・・
「マラガに着いて、マンション
のエレベーター直ってるかな」
ベラの声に、すっかり忘れて
いた「エレベーター工事中」の
一件を思い出す。恐ろしくなり
「とりあえず、今日、今、この
時だけ考えよう・・・」
さて、夕食は一年ぶりに
再会する、みさのちゃん&
ようちゃんと、カレー屋へ。
「みんな元気でよかったねー」
この歳になると細かいことは
どうでもよく、大切な人が
元気で笑っていてくれれば
それでいい。
みさのちゃん&ようちゃんは
3年前、マラガまで遊びに来て
くれた。あの時いっしょに食べた
「ガスパチョがおいしかったね」
思い出は、私たちの心をいつも
温めてくれる。何度でも。
二人が去っても、マラガに二人
の姿を私はときおり見つける。
いっしょに通った道や景色の中
に。たとえ遠くにいても
私たちを結んでくれる思い出。
また来年も会おうね!