この6月2日に、スペイン国王のファン・カルロスが「譲位」を発表。
息子のフェリペ王子が
新しいスペインの国王を「継承」することとなった。
それ自体は、何も問題がないように見える。
が、スペインは今、非常に大きく揺れている。
スペインは、もとは実は「レプブリカ(共和制)」の国である。
つまり、ロイヤルファミリー(王族)なしの国。
それを今の「モナルカ(君主制、王政)」
ロイヤルファミリーありの国にしたのは、
あのスペイン内戦で市民を大虐殺したフランコなのである。
フランコが、ファン・カルロスを国王に任命したことは
スペイン人なら、誰もが知る周知の事実。
こういう、いわくつきの「モナルカ(君主制、王政)」なのだ。
「君主制を継続するべきか、国民投票を行うべき!」
というデモがさっそく、マドリッドを中心に起こった。
「スペインを共和国に!ロイヤルファミリーなんかいらない」
その思いは、ここ数年に渡るロイヤルファミリー(王族)の醜態に
はらわたが煮えくり返っている、国民の気持ちをよく表している。
まず2012年に発覚した「ボツワナの象狩り」。
ファン・カルロス国王が、お忍びでボツワナに出向き、
こっそり象狩りを楽しんでいたのを、マスコミにすっぱ抜かれた。
20%を越す失業率を抱えていたスペイン国民の怒りが爆発。
国王とはいえ、贅沢を許される状態ではけしてなかった。
さらにファン・カルロス国王は、
WWF(世界自然保護基金)の、名誉総裁の職についていたのだ。
続く、クリスティーナ王女(ファン・カルロス国王の娘)は
夫ウルダンガリンとともに、「公金の横領」疑惑で、裁判所に送られたばかり。
さらに、国王の一年の給料は、約300.000ユーロ(約4000万円)
妻であるソフィア、息子であるフェリペ王子は、その半分。
フェリペ王子の妻・レティシアは今年、給料が少なすぎると
「80.000ユーロから100.000ユーロに」引き上げられたばかり。
これが、一つの家族に入る、つまり「一家の収入」であることを考えると
とんでもない額である。
私たちの住むマラガ、アンダルシア地方の
「若者の失業率」が、いよいよ「60%」に達した。
この数字の意味が、わかりますか。
政治家、ロイヤルファミリーのみなさん。
そうして生まれたのが、「ポデモス党」。
パブロ・イグレシアス率いる、新政党。
これについては明日、書きたい。