スペインには「独身」と「既婚」のあいだに
「パレハ・デ・エチョ」というカテゴリーがあります。
これは公に認められている関係で
市役所で届け出をします。
言ってみれば「パートナー」というカテゴリーでしょうか。
私の周りにも、何人かパレハ・デ・エチョのカップルがいます。
たとえば、結婚を考えてはいあるんだけど、とりあえず同棲、共同生活からという
友人のヌリア。結局10年くらいパレハ・デ・エチョで、
子供ができたのをきっかけに結婚しました。
マリベルは離婚歴があり、つきあっている男性も離婚歴があります。
二人は50代に出合い、お互い大きな子供がいるので
籍は入れず、共同生活を8年近くしていました。
今回60歳を迎えることになり、ふたりは老後のことを考えて
パレハ・デ・エチョの手続きにふみきったのです。
ヨーロッパでは、こうした
「籍は入れないが、公にパートナーとして認める関係」
が一般的に認められています。
スペインでは「パレハ・デ・エチョ」ですが
スウェーデンでは「サンボ」といい、
共同生活カップルの30パーセントくらいは、サンボだと聞いたことがあります。
手続きは、スペインの場合、かなり大変です。
市役所の窓口に出向き、必要書類をそろえるのですが
これが一苦労。スペイン語の語学力も当然、必要です。
さらに、「スペインの手続き」というのは
不明確で不親切で、さらに時間がかかることで有名。
日本人なら胃潰瘍になるか
窓口のオジサン(オバサン)の胸ぐらを思わずつかみたくなるという経験を
みなさん数回は、お持ちのことでしょう。
ちなみに私たちも、この「パレハ・デ・エチョ」です。
手続きに確か、一年くらいはかかりました。
いくつもの書類を用意するのですが
この書類の有効期限は3か月だの、こっちは5か月だの・・・
あ、まだこの書類を訳していませんねぇ、って
だったら最初からいっしょに言ってよ~(涙)
とにかく大変でした。
これでやっとOKと思っていたら、外務省の証明印がいるとか
まるで迷路に入り込んでしまったような状態。
スペイン滞在をお考えの方の中には、
「パレハ・デ・エチョ」の手続きをしようと思っている方もいるかと思います。
カップルの片方がスペイン人なら、手続きは早いようですが
私たちのように二人が外国人の場合
それぞれの国から書類を取り寄せ、翻訳し・・・とかなり大変です。
私はマラガの市役所で手続きをしましたが
県によって、手続きは若干ちがうようなので
お住まいになる予定の市の窓口で、まずは尋ねてみることです。
語学力に自信がない場合は、弁護士の助けを借りるという手もあります。
いずれにしても、かなり体力、気力が必要です。
とにかく書類を必死で読みこまなくてはならないので
スペイン語は、まちがいなく上達します(笑)