ガス缶がなく寒風摩擦

ニッポンからスペインへ帰り、私たちを待ち受けていたのは
「テレビが見えなくなる問題」だけではなかった。

まず、うちに着いてそうそう、「ブタンガス」の缶が空っぽでがあることに気づいた。
スペインでは、この「ガス缶」を毎週、毎月、自分たちで買う。
これがないと、ガスがないわけなので料理もできないし
熱いシャワーも浴びられない。
ついでに、ガスストーブも、使えない。

「寒いよ~」
私たちはマラガに着いた夜
無理やり、生あたたかいシャワーを浴びながら凍えていた。
寒風摩擦のようにして、ごしごし体をふいて温めなければ
とても服など着られる状態ではない。

こうなれば自家発電、そう、自分の体力で布団の中を温め
暖を取るしかない。
私たちは、布団に頭まですっぽり入ると
「かまくら」のような状態で、自分の内から熱を生産することにした。

「ああ、マラガに帰ってきたな」
と思う瞬間である。この
「何でも自力で何とかする」
というのが、スペインにおける人生の基本姿勢なのだ。
体もそうそうに反応し
「何とか熱を発生させねば」
と、いきなり機能モードに入るから不思議だ。

翌日、私たちはうちの近くのガソリンスタンドへ
ガス缶を買うために飛んで行った。
その帰り、地中海の水平線の上に
ポッコリとアフリカ大陸、「モロッコの陸影」が浮かんでいた。
冬が来たな、と思う瞬間である。
冬の訪れを、モロッコの陸影で知る。
なんと風情のあることか。
しかし、まずは暑いシャワーで、マラガの冬をスタートさせよう。

ところで、名古屋は大雪だったそうですが、だいじょうぶでしたか。

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「ガス缶がなく寒風摩擦」への3件のフィードバック

  1. 一般的には「乾布摩擦」かと?
    わざわざ寒い風の中でやる必要なないような。

  2. wikiをチェックしたら「冬との関連を連想して「寒風摩擦(かんぷうまさつ)」と誤記されやすい。」とももちゃんの間違いのままの記述がございました。

    http://bit.ly/wr9uRv

    名古屋は先週23cmでしたよ。別世界だった。午後には名古屋の冬景色に戻ったけど。

  3. そうでした。乾布ですね、寒風じゃなく。
    いつもながらご指導ありがとうございます。
    kenさん&クロ隊長のおかげで安心して書いていられます~。

    最近、漢字が出てこないので「音」を聞いて、漢字に変換しています。
    実はこの「摩擦」という文字も、変換されて画面に現れたとき
    その難しさに、しばらく感動していました。
    「これは・・・もう、書けないな」

    まさつ。することはできても、書くことはできない。
    そういえば、日本で居酒屋に行ったとき「炙り」が読めず
    お姉さんに「これは何か」聞いたのだったなぁ。

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