スペインのTV局「ラ・セクスタ」

スペインのテレビ局「ラ・セクスタ(6チャンネル)」は、すごい。
日本なら、絶対ありえないような番組や
コメンテーター、レポーター、司会者が
このチャンネルにはうようよしている。

「こんなこと、言っていいのか?」
「だいじょうぶなのか」
「交通事故を装って、消されないのか」
と、見ているこちらが心配するくらい、実名を上げ、はっきりものを言う。
ロイヤルファミリーも政治家も、この報道攻撃からは逃げられない。

圧巻は、政治家たちを始め支配階級の人たちに、まっすぐ面と向かってする
「どうにも居心地の悪い質問」
の連続技であろう。相手になんと言われてもやめない。
嫌がられてでも追っていく。
これぞ、ジャーナリズム。
その緊迫感。ものすごい会話の応酬。

スピード感あふれる、しかしデータに基づいた的確な会話は
失礼にならないぎりぎりの線を上手に保ちながら
実に見事に、ぐいぐいと急所に迫っていく。
「失業率が、数か月ぶりに下がりましたよ!国民のみなさん」
とPP党の政治家が、自慢げに言った時も
「そりゃ、下がるだろうね。職を探してスペインからみんな出て行ったから」
このリアクションの早さ(笑)
実際、2014年はスペインから実に
「54万7000人が職を探して出て行った」のだ。

こんななレポーター、司会者を持っている
「ラ・セクスタ(6チャンネル)」は、本当にすごい。
グラン・ワイオミン、ジョルディ・エボレ、アナ・パストールなどが有名だが
スペインの支配ピラミッドの頂点に君臨する特権階級で
ぜいたく気ままに暮らしている人たちからしたら
この「ラ・セクスタ(6チャンネル)」は、ごみ。
株主、広告主、従業員ひとまとめにして
きっと、闇に葬りたいだろうなぁ(笑)

これでよく「広告がつくものだ」と、感動する。
企業にしたら、危ない発言や権力にはむむかう態度は、避けたいはずだ。
しかし、つくのである。これも、スペインらしさといえる。
同じ「ニュース」についても他局とは
その取り上げ方や流される映像が、まるでちがう。
ロイヤルファミリーやPP党の汚職政治家に対する追及も実に明確。

日本では、こういう番組はまず、存在しないだろう。
まず、テレビ局がしり込みして、危ない表現や立場は避けるだろうし
「こんなこと言ったら、2度と仕事がもらえなくなる」
と、司会者やタレントはまず「保身」を考え
自分の政治的および思想的立場を、明らかにしないだろう。

自分の政治的、思想的立場をはっきりと表明する。
それは、スペインでは非常に一般的なことである。
「それで失うものがあっても、けっこう!」
という腹のくくり方は、一般市民もどこかでしていると思う。

ところでスペインの場合、職業的に舞台役者、俳優、映画製作関係者、
タレントなどは、多くの場合「アクティビスタ」である。
「アクティビスタ」というのは
社会的な行動、運動、発言をする人たちの総称。
来週は、これについて書きたい。

Facebook にシェア
[`google_buzz` not found]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です