ピアノ&バイオリン発表会も無事終わり
さーて、のんびりしようと
リビングのソファに腰をおろしたとたん
「で、この山のような料理、どうするの?」
と、べラがつぶやいた。
そう、発表会の日には
毎年これでもか、と手作り料理の皿が
テーブルに並ぶのである。
それはまさに
クリスマス、大みそかより豪華な
スーパーバイキングランチ。
みなさんがお帰りになった後
「いったい、これをどうしたら・・・」
と、茫然とするというのが
毎年のうちの光景なのである。
「うーん,去年と同じにする?」
「いいけど。いるかなぁ」
私たちの友達である同じマンションのEさんのところは
育ちざかりの男の子が3人いる。
去年も、発表会で残ったジュース、サンドイッチ、
サラダ、焼きそばなど抱え
ドアをノックしたのだった。
「オラー(こんにちはー)」
ドアがあくと、Eさんが目を丸くして
「あらー、今日が発表会だった?」
「あまりものなんですけど、よかったら」
「うわぁ、ありがとう」
よかった、よかった。
これで、成長いちじるしい3人の男の子の
夕食となることであろう。
そして、翌日。
「まだ、食べきれないよ。どうする?」
「じゃ、Sさんの家に行く?」
「僕、電話してみる」
Sさんは、近所に住む友人で
「よかったら、来て~。できればランチタイムの1時半に」
Sさん一家は、マラガの田舎に住んでいるので
私たちは午後の陽ざしをいっぱい受けながら
屋外のテーブルで、残り物ランチを楽しんだ。
「発表会のおかげで、Eさん&Sさん一家にも
喜んでもらえてよかったね」
べラは、満足そうにうなづいていたが
はたと「また、明日から粗食」であることに気がつくと
はあぁ~と、大きなため息をつくのだった。