とみ子さんの黒にんにく

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CIMG9437 去年、ニッポンへ帰ると、母が「黒にんにく」なるものをせっせと、作っていた。

炊飯器で、作るらしい。
とにかく、すごい量のにんにくがスーパーの袋に保管されている。
「いっぱいスペインに持って帰ってね」

私はしばし、言葉を失っていたが
「はい、とみ子さん。ありがとうございます」
と、べラは即答していた。
にんにく教を信仰するベラにとっては、にんにくは幸運の印。

「ロシア軍の兵隊は、第二次世界大戦の時、にんにくを持って行きました」
「ははぁ~」
私は心の中で、以前ベラに聞かされた言葉をつぶやく。
「アレキサンダー大王は、確かアロエを持って行ったんだよね」

さて、母が手作りしてくれた「黒にんにく」は
無事、空港の荷物チェックをくぐりぬけ
スペインにたどり着いた。

「とみ子さんの黒にんにく、いただきます」
ベラは毎日、二かけらと決め
口に放り込んでいる。
甘くて濃厚な味わい。
これを食べていれば、確かに元気でいられそうだ。

先日、スーパーで突然、ベラが声をあげた。
「あっ、黒にんにくが売ってる!」
「ほんとだー」
初めて見かけたので
思わずうれしくなって、包みを手に取ってみると・・・

「えっ、2個で3ユーロもするの?」
にんにくが超安いスペインに住んでいると
まるで、お姫様のように思える。
私たちがいつも買うのは
一袋10個くらい入って1ユーロ。

「僕たち、とても高価なものを食べていたんだね」
ベラは不思議な満足感を漂わせると
ぐふふふと、口の中で笑っていた。

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「とみ子さんの黒にんにく」への3件のフィードバック

  1. お久しぶりです。KENさん主催のバーベキューは、楽しかったです。
    ブログ楽しく読んでます。
    いや、本当は感動して読んでます。
    人生哲学には感服してます。
    心付き動かせれながら、私ごときのコメントなんて、恥ずかしくて書けませんでした。なんも無いもんね。
    今年も、帰省していただけますでしょうか。ももの、実生活の中での気づきは感動です。
    最近、眠れないので再び日雇いの一部から読んでしまいました。
    タンゴの先生での言葉では無いですが、会うのと、文章ではギャップがあります。それも、ももの魅力でしょう。
    では、では、
    勇気を持って、書き込みというエールを送ります。
    m(_ _)m

  2. さとみさん、コメントをありがとうございました!
    それも、連載で(笑)
    昨夜バルセロナから帰って来て、今やっとブログを見ました。
    そしたら「連載コメント」が始まっているではないですか。
    お返事が遅くなり、本当に申し訳ありません。
    思わず、さとみさんの人懐こい笑顔を思い出しました。

    バーベキューは楽しかったですね!大変お世話になりました。
    またお忙しい中、ライブにも来ていただきありがとうございました。
    今年もぜひ、お会いしたいです。あんちゃんもいっしょに
    きっとKENさんが、素敵な企画を立ててくれることでしょう。

    個性的なさとみさんは、一度会ったら忘れられない人ですね。
    「最近、眠れない」とありますが、その後いかがですか。
    太陽の光を浴びたり、海で泳いだりすると効果ありますよ。
    いろいろやってだめなら、マラガに来ちゃうって手もあります。

    しかし、連載コメント、って初めてだなぁ(笑)
    さすが、さとみさん。よく私は「突拍子もない」って言われますが
    もしかしたら同じグループかも・・・ようこそ!

    あんちゃんにもどうぞ、よろしくお伝えください。

  3. ももちゃんと同じグループ、光栄です。
    でも、私はももちゃんほど哲学的に生きているでしょうか。
    眠れないは、改善してません。残念ながら。
    モチロン、マラガに行きたいです。全てを置き去りにして、、。
    行った時には、一緒に飲んで呑んで下さいませ。
    突拍子も無い行動も、今では予測可能と安ちゃんから言われているさとみです。
    器が小さいです。でへ。

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