先日、プエルトリコのピアニスト
「パポ・ルッカ」に夢中であることを書いたが
もちろん今も、夢に見るくらい好きである。
一日も早く会いたいものだが
プエルトリコは遠く、旅費も高い。
なにしろ国籍的にはアメリカ合衆国なので
ベラがいい顔をしないのだ。
「アメリカには行かない」
が、口癖。はぁあ~。
こうなれば、キューバから渡るしかないか。
さて、彼がピアノ&音楽監督を務める
サルサ楽団「ソノラ・ポンセーニャ」も大好き。
さらに、ピアニストとして呼ばれて
あっちこっちのミュージシャンと弾いている時も。
YOU TUBEの画面を見ながらうっとり~。
先日、パポ・ルッカの画像で
「ラメント・デ・コンセプシオン」
というサルサを見つけたのだが
いきなり「官能」の域に達してしまった。
興味のある方は YOU TUBEに
「Lamento de concepcion roberto rorena 」
(ラメント・デ・コンセプシオン・ロベルト・ロレナ)
と入れてみてください。
最初は、サルサ楽団&歌手でスタート。
注目は、4分30秒くらいから始まる
パポ・ルッカのピアノソロ演奏!
(メガネかけてキーボード弾いてる人がパポ・ルッカ)
脳天にストレートに響く、というか
心をわしづかみにされると言うのか。
これぞサルサの王道。
「これを、弾いてみたいっ!」
いつものごとく
思いたたったらすぐ行動、なので
さっそく「採譜」を始める。
が、これがもう大変。
まず、すごい音符の量。
それもシャープやフラットがうじゃうじゃ。
これを耳だけを頼りに聞き分けるのは
かなりの集中力がいる。
さらに、ものすごいスピード。
本当に、「あっ」というまに
8音、12音がワンフレーズで弾かれてしまう。
そして。極めつきはリズム。
イレギュラーなリズムで刻まれているので
書き記すのは、もう脳みその総動員、といった状態。
「す、す、すごすぎる・・・」
ほとんど何も聞こえない小節さえある。
「これは、いったい」
ほとんど一瞬で、音が弾かれ、消えていく。
20回くらい聞かなければ
まるで聞き取れない小節もある。
かなりの集中力を要するので
一日2時間が限度。
「もう、だめ~」
終わるとへとへと。
肩がこっているなどという状態ではなく
脳みその温度が、40度くらいに上がっている。
気がする。
こんなことをして、頭は本当にだいじょうぶなのか。
自分でも心配になってくる。
そんな無茶を3日間。
朝2時間、午後2時間続けた結果
ついに、パポ・ルッカ師匠のピアノソロの
採譜に成功!
「ああー、後はもう弾くだけ」
って、仕事が終わった気になっている。
これからだ、って。
これだけ集中して採譜をしていると
いいこともある。
それは、楽譜の半分以上は
もう暗譜してしまっている、ということだ。
パポ・ルッカのフレーズは
私を幸せにする。
弾いていると、体温がふわっと上がる。
「早く、師匠に会いたいなぁ」
「プエルトリコまで行くつもり?」
「うん。パポ・ルッカ師匠がもし
レッスンしてくれないって言ったら
この曲を弾いて、こんなにあなたのピアノが好きなのにって言う!」
「・・・・・・」
ベラは、いつものように固まっていたが
「プエルトリコ、って釣りができるのかな」
と少しずつ
わが身に降りかかるであろう運命を
受け入れ始めているように、見えた。