キリストの壁画修復事件

日本でも、話題になっていると思いますが
スペイン北東部・サラゴサの、ボルハ市にある教会で
とんでもない事件が起きました。
80代のおばあさんの『善意』によって、
『キリスト画』が『修復』されたのですが、
しろうとの手による修復だったために
キリスト画が、まったく別ものになってしまったのです。

カトリックの国、スペインでは、これは一大事。
お昼のニュースを独占し、報道されました。
日本でいうなら、お寺の歴史ある仏画の上に
現代絵画風・仏さまを描いちゃった、ってとこでしょうか。

ところが、この『惨事』を知って、
スペイン中から、次々と人が集まってくる。
この『世にも恐ろしいキリスト画』を一目、見ようと
それまで誰も知らなかったような教会へ
カメラを持ったスペイン人がぞくぞくと・・・

やっぱ、こわいもの見たさ、ってありますからね。
歴史的、芸術的に見ても『前代未聞』の作品だし。

笑えたのが、テレビのインタビューで村人が
「これを機会に、この教会に『日本人』が来てくれるかもしれません」
って。
なんで『日本人』なんだろう。
『観光客』で、いいよね。

いったい、『こうなってしまった』壁画を再修復するのか、
人気が出ちゃったので、そのままにするのか
教会、市役所、市民のあいだでもめにもめ、
いまだに決着がついていません。

この事件の続報は、またお伝えします。

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「キリストの壁画修復事件」への8件のフィードバック

  1. 私は8月24日にNHKのニュースで知ったのですが、旦那君は昼間にインターネットで知ったので、まさか本当のことと思わなかったそうです。翌日、テレビで放送してるのを見て「え?ほんとなの?」って驚いてました。私も最初のニュースソースがネットだったらそう思ったかも。
    この元の絵画が価値ある絵でなかったのはある意味よかったかもと思いましたが、ほんと、これからどうなるのか、続報、楽しみにしてます。
    参考までに8月24日のNHKニュースの動画のURLをはっておきます。よかったら見てみてください。
    http://youtu.be/LKQjkU9EAX8

  2. 『NHKニュース』の動画を、ありがとうございました。
    ほんとにアナウンサー、笑ってますね。

    スペインはなにしろ、あのピカソやダリ、ミロを生んだ国なので
    『現代芸術』『不可解なもの』には、慣れています。
    『少々のこと』には、動じません。

    って、これを『少々』としてしまうあたりが、
    わたしも、スペイン人化している証拠ですかねぇ。

  3. このニュースは僕も見ましたよ。やったのはおばあさんだったんですね。でもいくら素人でも本気で修復したとはちょっと信じ難い。裏には何かの悪意があったんじゃないかと勘ぐってしまうのは日本人の感覚でしょうか。

  4. ども、kenです。この件を小生のラジオ番組で取り上げました。
    1.芸術性
    元絵が描かれたのと同じ頃、ニューヨークでマルセル・デュシャンが便器を「泉」として出品しました。便器は便器であってそれ自体は芸術ではありませんよね。
    芸術は、受けての中にあるので、おばあさんが芸術だと言い切って、認める人が一人でも居ればこれも芸術に違いありません。
    2.宗教画
    元絵は西洋の一般的なキリストの絵ですが、本当のキリストはアラブ人だったはずで、ひょっとすると「サル顔」だったかもしれませんよ。99の岡村君みたいに。
    それのよって宗教心が薄れる?・・・その宗教心って一体、何?
    偶像=アイドル

    ってな、話をしました。

  5. すださん、お久しぶりです。
    ACCの『新人賞』を、受賞されたそうですね!
    おめでとうございます。

    お恥ずかしいことに、どんなものなのかよくわからず
    その『賞』がどんなもので、どうしたいきさつで受賞されたのか
    教えていただけると、うれしいです。

  6. Kenさんのおっしゃるとおり、キリストは『アラブ系の顔』をしていました。
    先日、『キリストはこんな顔だった!』という
    まじめなドキュメンタリー番組があり、
    専門家による、あらゆる検証を提示されたあと、
    「さぁ、いいですか皆さん、キリストはこんな顔だったのです!」

    「うわぁあ~っ!」
    ってスペイン中、叫んだと思います。
    だって、教会や美術館の絵画で見るのと、まるでちがうから。

    わたしは、友人4人と見ていて大爆笑。
    「どっから見てもアラブ人だよ・・・」
    「イスラム教祖?」
    さらに
    「なんか、誰かに似てるよねぇ~」
    「ああっ!オサマ・ビル・ラーディン」
    って、なんだかなぁ。

    ま、これで薄れるような宗教心なら、
    もともとたいしたことない、ってことですかね。

    Kenさんのラジオの様子も、またときどき教えてください。
    どんなことをテーマに話されているのか・・・
    このブログに、日本の側から『季節感』を吹き込んでいただけたら
    うれしいです。

  7. momoさん、ありがとうございます。でもこの記事と関係のない話を続けるのも恐縮ですので、詳しくは今度またお会いしたときにゆっくりじっくりということで。早く知りたかったらメルアド教えてくださーい!

    kenさん、さすがkenさんらしいアカデミックな番組ですねー。「りらくヌーン」一度聴いてみたいです。

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