これまでは毎年
ベラを引き連れて
伊賀だの、犬山だのと
旅行に連れ出してくださった
伊藤さん＆中岡さん。

今年は観光もないので
「じゃ、トルコ料理ね！」

楽しみじゃ～。
気分はもうイスタンブール。

さて、新栄で待ち合わせ。
裏通りをよろよろと
歩いて行くと
小さな看板が。

「こんにちはー」
それが入ってびっくり。
外観からは想像もできない
そこは、まさしくトルコ。

トルコ人のお兄さんが
手作りパンを焼いているでは
ありませんか（写真）

とにかくメニューが充実。
トルコ気分、満喫
まちがいなし！
おすすめです。

まずは前菜とビール。
その後、赤ワインへ。

ピザを注文したら
これが、でかい。
窯で焼いてるから
もうおいしいのなんの。

「ベラちゃんに食べさせてあげたかったな」
ぽつりと伊藤さん。

しんみりムードを
吹き飛ばすかのように
料理が次々と
運ばれてくる。

「で、これからどうするの？」
「まだ何も決まってません」

「だいじょうぶなの？」
「はぁ、もう演奏の予定はないので・・・
ピアノレッスンが唯一の収入です」

今のところ
スペインでピアノを
弾く予定はない。
つまり演奏収入は
なくなる。

なんというか
私の中で何かが
終わってしまい
あるいは燃え尽きてしまい
ピアノに対する情熱が
感じられないのだ。
だから、仕方がない。

それでも伊藤さんは
気をきかせて
「弾きたければ
弾ける店に行くよ」
と言ってくださった。

スペインへ戻ったら
「まずは絵を描くこと。
これからのことは
ピアノレッスンを
続けながら考えます」
「だいじょうぶ～？」

我ながら
自信を持って言えることが
ひとつもなく
伊藤さんと中岡さんを
すっかり心配させる夕食会と
なってしまった。

でも・・・と思う。
２０年前
単身スペインへ渡ったときも
将来のことなんて
何もわからなかった。
仕事のひとつもなかった。

同じじゃないか。
あのときと。
「ふりだしに戻る！」

人生は、すごろくなり。

そんなことを思いながら
ほろ酔い気分で
栄まで三人
肩を並べて歩いた。

（明日につづく）

[`google_buzz` not found]

Tweet