「ベラ最後の録音」の解説

昨年の春に録音した「ベラ最後の演奏」
ベラ&もも最後の練習用の演奏を
クロ隊長がブログで聴けるようにしてくださいました。
今日はその各曲のエピソードを紹介します。

★「ドス・ガルデニアス」
 キューバのボレロの名曲。ロマンチックな歌詞でスペインでも
 人気。「ドス・ガルデニアス」とは「二輪のガルデニアス
 (花の名)」の意。せつせつと歌いあげる愛の歌なのだ。
 この録音は一回目のリハーサルで、ベラも私も思いつくままに
 自由に弾いています。だがら楽譜はなし。
 よくこうして弾いた後に、楽譜を書いてました(笑)
 どういうふうだったか思い出すために。
 結局一度も、公の場所で弾くことのなかった曲。
   
★「スイングしなけりゃ意味ないね」
 これも結局、一度も弾くことのなかった曲。
 録音は途中から。間奏に「クラシックの旋律をいくつか
 メドレーっぽくはさんじゃおう!」という
 私の無謀なアイデアを試しているところ(笑)

★「ショパンの作品」
 ベラが大好きな曲で、一人で弾いていたので
 あわてて伴奏をつけました。
 ベラはこういう美しくも哀しい音色の曲が大好きだった。

★「熊蜂の飛行」
 熊蜂だけど「僕はハエで弾きたい」とベラが言いだし
 おもしろおかしくアレンジしたもの。
 去年、日本のライブで演奏できてよかったな。

★「ハンガリー民謡」
 曲の名前は不明。ベラはハンガリー語でなんやら
 言っていたが、発音不可能でおぼえきれず。
 これから編曲をつめて、スピードアップしていくところだった。

★「パポ・ルッカの作品」
 だと思う。少なくともパポ・ルッカが弾いているのは確か。
 YOU TUBEで聴いて惚れ込み、バイオリン&ピアノ用にアレンジ。
 私が弾いているピアノのパートはできるかぎり
 パポ・ルッカ師匠のアレンジ&演奏そのままにしてある。
 一音一音、演奏を聞きながら、音を必死に五線紙に書き留めた。
 それもすべて、パポ・ルッカ師匠に
「ピアノレッスンをしてもらいたい!」ため。
 玄関で追い返されても「5分だけ弾かせてほしい」と
 頼み込み、この師匠のアレンジを弾こうと考えていた。
「こんなにあなたのピアノが好きなんです!」
 と訴えるには、弾くしかないと思って。
 それを言うとベラはあきれて言葉を失っていた。
 
 ★「ショパン・ももバージョン」
 ショパンの美しい小曲を全面アレンジ。
 出だしはとにかくこの旋律が持つ透明感を出したかった。
 そして少しずつスピードが上がり、ラテンジャズ風に・・・
 まだ編曲したてで、自分のパートなどなぐり書き。
 つぎはぎ、キリバリの五線紙を見ながら弾いているので
 演奏はめちゃくちゃ(笑)
 でもいつも最初は「ざっと全体」を見るために録音し
 「こんな感じ」をつかむようにしている。そんな時の録音。
 結局これも、一度も公の場で弾かずに終わった曲。

 今頃、天国でベラはこの続きを弾いているのかな。
 私はピアノを弾かなくなって4か月。
 またいつか「弾きたい」と思える時が来るのかな。

 ベラの最後の演奏をこうして形にしてくださって
 クロ隊長、本当にありがとうございました。
 「さすが、僕たちの守護天使!」
 ときっと今頃、満足げにうなづきながら
 私たちを見守っていることでしょう。
 
 
 
 
 

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