You tube作り計画(2)

1ヶ月で『写真素材400枚用意』
が、脳天に刻まれてしまったわたしは、どこに行くにも「カメラ持参」。
この『どこでも撮って!』の被害にあったのはベラで
「はい、ここで、そっちから撮って」
「ほら、もっと角度かえて」
って、毎日のようにカメラを持たされ
「僕は、モデルといっしょになったんじゃないぞ~」
と、怒り出す始末。

それでも、50枚、100枚と撮っていると
だんだん構図がうまくなってくる。
「うわぁ~、写真上手になってるよ!」
「こんなに写真撮ったのも、撮られたのも初めて」
というベラは、安心したように
「一生分、まとめて撮ったから、これでもうこの先、写真は撮らなくていいね」
と、ひとり納得していた。

週2回のホテルの演奏に加え、
9月になると結婚式シーズンで、
結婚式の楽譜起こしおよび練習、本番。
さらに9月は新学期で、ピアノ教室も始まり、
超過密スケジュールとなってきた。
そのあいまをぬっての『撮影』と『テロップ作り』。

「うわあぁああ~っ!」
ある日、どうにも回っていかなくなり、
わたしは大声で叫んだ。
「もう、できないっ!」
するとベラは
「誰もそこまでやれとは、言ってないのに~」
と、あきれたように、ため息をついた。
「だって、わたしには『全力投球』『身も心も』『寝てもさめても』っていうモードしか、ついてないんだもん」
言いながら、泣けてくる。
「あ~あ~」
「はげになるかも」
「よし、明日はお休みにして、海に行こう!」

海は不思議だ。プールの水じゃ、だめなのだ。
この水、魔法の水だ。
浮いているだけで、つかっているだけで
抱きしめられているのを感じる。
ちっぽけなわたしの、ちっぽけな悩み。
「ああ~っ」
極楽は、まさに湯の中、水の中にあり、なのだ。

元気をふたたび取り戻し、
You tube作り、2回目の打ち合わせ。
「写真のほう、どうですか」
このYou tube作りを買って出てくださったお父さん
(わたしのピアノ教室に来る生徒のパパ)
を前に、この1ヶ月の努力の成果をみせるべく
パソコンの画面に前に写真を写し出す。
「どれどれ・・・・」

楽しげにマウスをいじっていたお父さんが、
突如、声をあげた。
「うわあっ!」
「なにか?まずいことでも?」
心配になって尋ねる。
「300~400枚、って僕、言いませんでしたか?」
「ええ、足りませんか?」
あんなに必死で撮ったのに。
すると、お父さんはわたしの顔をのぞきこんで言った。

「1500枚は、ありますね」
「・・・・・・」
これから、それをどうやってセレクトし、曲別に仕分け
さらに順番に並べるのか・・・・
考えるだけで、気が遠くなりそうだった。

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「You tube作り計画(2)」への6件のフィードバック

  1. 1,500枚とは、また、すごい。単純計算で1日50枚ですよね。そりゃ、ベラも悲鳴あげるわ。お疲れ様でした。

  2. 「クロさん、ありがとーございます!
    わたしは、べラです。
    いち、に、さん、クーローさん♪」(べラの言葉そのまま)

    今、数字をおぼえているところで・・・すみません。

    この調子でがんばれば、なんとか10月中に
    待望の「You tube」にのせることができそうです。
    ああ~、道は険しい・・・
    夢にまで、写真が出てくる~、うわぁ~。

    ひきつづき「You tube作り(3)」で
    この前途多難の「写真セレクト、および番号つけ」のことを
    書きたいと思います。

    あっ、吉報!
    わたしたちが演奏しているところを
    「ビデオ」に撮ってもらえることになりました。
    ボランティア精神あふれる、その奇特な方々は、
    なんと、ピアノ教室に来る生徒と、そのお兄ちゃんの兄妹コンビ!
    どうぞ、お楽しみに。

  3. 数字をおぼえてるんだ。ベラ、がんばってね。
    そういえば、日本語だと、タンスは一棹とか、うさぎは一羽とか、数え方がありますが、スペイン語は?どうなのかな?

  4. 3ボトル、5うさぎ、7車、4カード、2妹1弟、3娘、のように、
    数字のあとに「名詞」をつけてよし!とすることが多いですね。
    そういう意味では、日本語より簡単かも。

    しかし、日本語にない「性数一致の法則」や「接続法」があるので
    十分ですね。
    「接続法って、なに?」って・・・・
    うう~ん、日本語の文法にないものを説明するのは、
    非常にむずかしい。
    この接続法で挫折する日本人は、かなり多いです。

  5. 接続法って、フランス語にもあるみたいなんですけど、まったく記憶がない・・・。大学の時、Je danse.Vous dansez.Il danse. Nous dansons. Ils dansent. とか動詞の活用で、あ~っ!めんどくさっ!と思って、その後、ほとんど覚えずに終わりました。私も挫折する日本人のひとりな気がする・・・。

  6. 「接続法」だけでも、ややこしいのに
    それをスペイン語で説明されるので
    「いったい、これは・・・・!」の世界でした。

    今でも、まちがえますからね。
    「そこ、接続法!」って、スペインの友人につっこまれる~っ。
    この、泣く子も黙る接続法については、
    11月の『スペイン語のきまり』でお話ししていくことにしましょう。

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