「ピアニスト」の連作

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バルセロナからマラガへ戻り
私はとりつかれたように
描き出した。

5日間も休みをとってしまい
レッスンが山積みなのにも
かかわらず
朝7時から夜12時まで
描かないではおれなかった。

私の中に突如
湧き出したテーマは
「ピアニスト」。

それを毎日毎日
描き続けた。
ちがうタッチで、色で。

「連作」にしようと
思ったのではない。
「ピアニスト」が
描きたくて

 

 

 

 

 

 

☆☆☆
毎日取り組んでいるうちに
気がついたら
連作になっていた。

バルセロナのピカソ美術館で
「ピカソの創作プロセス」
に触れ、私は全身貫かれ
るような感動をおぼえた。

 

 

 

 

 

 

 

「描かれて消された線」や
「色が重ねられた順」
「キャンバスの下地の白なのか、塗った白なのか」
そういったことが
強烈に私を惹きつけた。

私はそれらを「勉強として」
知りたかったのではない。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆
作品の強烈なエネルギーが
私の心を奪い
「どうなっているのか知りたい」
という、原始的で動物的な
衝動をもたらしたのだ。

それは、私に新しい
風を吹き込んだ。
「大きく、太い線で、重ねて描く」
「下の絵を、色を消して描く」
「黒と色を重ねる」

泣きながら美術館を出て
バルセロナのゴチック地区を
歩いている間に
私の中で新しい芽が、めばえた。

マラガに戻ると猛烈に
油絵が描きたくなった。
が、材料がない。
買いに行く時間もない。

油絵のかわりに
油絵の感じが出せる素材として
私が選んだのは
「クレヨン」だった。

今日、紹介した絵はすべて
アクリル絵の具とクレヨンで
描いている。

指先を真っ黒にしてひたすら
クレヨンを重ねていく。
その創作プロセスの中に
私は今までにない
まったく新しい自分を感じていた。

クレヨンで描くと
表面に厚みができる。
何重にも自由に重ねられる。
色が深まる。
奥行きが出る。

今日、紹介している4作は
ほぼ二週間で描き上げた。

毎朝、起きると絵を眺め
足りないところを
描き込んでいく。

これは音楽も同じで
翌日、編曲したところを聴きなおすと
足りないところがわかる。
「もっとこうしたい」
というものが、自然とわかる。

最初は紙に包まれていたクレヨンが
使っているうちに粉々に
「カケラ」になっていく。

先の尖った部分を使ったり
腹の部分を使ったり。
いろいろなタッチを生み出すことの
できるクレヨンは偉大だ。

そのかわり洗ってもなかなか
落ちないのが難点。
ピアノレッスンの合い間に
描くのは大変でした。
指先をきれいに洗うのに(笑)

今回は大きい絵が描きたくて
B2~A2サイズ。これがもう
自分の呼吸とぴったり。

やはりこれまで「壁」に
描いていたせいか・・・
大きい絵はずっと立って描くので
その姿勢も好きです。

 

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