『ももの音楽づくり♪』第5回目の今日は、
デューク・エリントン作曲の、ラテンJazzの名曲『キャラバン』。
いいですねぇ~、ラテンジャズ。リズム感が最高!
デューク・エリントンの名曲で、わたしたちがよく演奏するのは
『A列車で行こう』や『サテン・ドール』
『スイングしなけりゃ意味ないね』も、弾きますね。
このスイング感に一度とらわれちゃうと
クラシックを弾くのが、つらくなっちゃうのよね。
そういうピアニストは、かなり多いと思います。
さて数年前、わたしたちはモロッコへ旅行をし、
「砂漠地帯で過ごした10日間」の出来事、人々との出会いに感動して
この『キャラバン』を編曲しました。
10月末で、40度の熱風。容赦なく照りつける太陽。
地平線のかなたまで、何百と連なり広がるオレンジ色の砂のコブ。
馬とはくらべものにならないくらい高く、
そして居心地の悪いらくだの背に揺られ、上っては降りる砂の斜面。
大地と空、茶色と青だけの風景。
大地と同じ色の土レンガづくりの民家。
風雨にさらされ、今にも朽ち果てそうなカスバ。
手織りでじゅうたんを織る山岳ベルベル族の女性は、顔を覆っていない。
手の甲にハンナ絵を描いたアラブ人の女性、黒装束なのですぐわかる。
砂漠の民・サハラウィは、モロッコ政府軍に侵攻されながらも
たくましく戦い続ける。
「たった1種類のメニュー」である「砂漠定食」をごちそうになり、
まさかのデザートは、目にも鮮やかな、赤く輝く「ざくろ」がひとつ。
宝もののように見えました。
自分たちはラマダンだからと、日が落ちるのを待っていたベルベル人の家族。
そのひとつひとつが、音になり、風になり、
この曲の中に息づいています。
「La Musica es un Viento Magico(音楽は魔法の風)」
人種、文化、言語、宗教・・・あらゆるものを越えて
わたしたちの心と心を結んでくれる音楽。
「Musica sin Fronteras(音楽に国境はない)」
どうか、彼らの生活が、文化が、命が大切に守られますように。
そして、世界の辺境といわれるところで生きるすべての少数民族の人たちが
自分たちのアイデンティティを、笑顔を奪われることがありませんように!
(この旅のもようは、第3部『本編』で紹介します)
Gracias a la naturaleza del norte de África y a sus gentes
que nos inspiraron para arreglar esta música.
Gloria y Salud para los países y tribus de África
y sobre todo para nuestros amigos que viven en el desierto. Viva!
ありがとう! 北アフリカの大自然、その大地に住む心やさしい人々よ!
この10日間の出会いがなければ、この編曲は生まれませんでした。
アフリカのすべての国、すべての少数民族に、幸せと平和がありますように。
砂漠に住むわたしたちの友よ、あなた方から笑顔を奪われることがありませんように! シュクラン・ジャジーラン