『ももの音楽づくり♪』第6回目の今日は
アルゼンチンのバンドネオン奏者で作曲家である
アストール・ピアソラの名作、『リベルタンゴ』を紹介します。
ピアソラは「タンゴ」と「クラシック」、さらに「ジャズ」を融合させた
独自の演奏スタイルを生み出し
タンゴ界に彗星のごとく現れました。
が、芸術の世界ではよくあることですが
保守的なタンゴファンから徹底的に攻撃され
「タンゴの破壊者」とまで言われ、きつい批判をうけました。
もちろん、ピアソラだけ弾いてタンゴ好き、と言うのはちがうでしょう。
でも近年、タンゴファンをこれだけ世界中に広めたのも
ピアソラの力は大きいと思います。
さて、この『リベルタンゴ』というタイトルは、実はピアソラの造語です。
「リベルター(スペイン語で自由の意)」と「タンゴ」を
くっつけて作ったオリジナル。
ピアソラの思いが伝わってくるようです。
わたしたちは『リベルタンゴ』のほかにも、ピアソラの曲をよく弾きます。
『ベラノ・ポルテーニョ』や『プレパレンセ』
『フラカナーパ』や『オブリビオン』
『ブエノス・アイレス・オラ・セロ』・・・・
たくさん作品はありますが、
「どこから聴き始めていいかわからない」という方には
『アディオス・ノニーノ』をおすすめします。
この曲はピアソラ1959年の作品ですが、
当時ピアソラは、多くのミュージシャンがそうであるように、
「食べるために」ニューヨークのナイトクラブで演奏をしていました。
そんな折、父親のビセンテ(愛称ノニーノ)が、
故郷アルゼンチンで亡くなったとの知らせを受けます。
が、ピアソラにはアルゼンチンに帰るお金がなかった。
その失意の中で作曲されたにが、この『アディオス・ノニーノ』です。
ピアソラの慟哭、怒り、そして父親に対する愛しい思いが
バンドネオンの1音1音に吹き込まれているのを
きっと、みなさんは感じることでしょう。
ミュージシャンの経済的困難は、よく言われることですが
こうしたマエストロ(師匠)たちの
何があっても音楽を貫く姿勢に、
わたしたちミュージシャンは、本当に勇気を与えられます。
かのシューベルトでさえ、お金がなく
「家財道具を売って」音楽を続けたそうですので
わたしも、がんばらねば! 前進あるのみですね。
¡Viva América del Sur! Dedicamos esta música para todos los que están construyendo
un mundo nuevo de[Igualdad y Justicia].¡Viva la lucha de los pueblos por la Libertad!
南アメリカの「平等と公正の世界」のために、尽力しているすべての人々に、
この曲を捧げます。ビバ! アメリカ・デ・スール!