10.展示会の搬入作業

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昨日の続き。
(7月のことを書いています)

7月10日、今日はいよいよ
名古屋の大須にある
「シアターカフェ」さんで
展示会&ライブペイント
およびワークショップ。

みんなで絵を描いて
楽しもう!という企画。
楽しみじゃ~。

が、その前に一つ、大変な作業が待ちかまえていた。
「搬入」である。

私はホテルから展示作品のすべて100点余りを会場へ運び込まねばならないので、さすがにこの日はタクシーを利用。

まずA2サイズの絵が数枚収められたビニール袋。
パネルに入れられているのでかなり重い。
これはホテルから出て、タクシーを拾う間に
ブチッと持ち手がちぎれ「抱えて」運ぶことになった。
ものすごい不便(涙)

もう一つのA2サイズの袋には
今日のライブペイント&ワークショップで使う材料や道具一式、
画用紙、筆、絵の具、クレヨン、パレット、・・・などが
ぎっしりと詰め込まれている。
文房具って、けっこう重いなー。

そして3つ目の袋には、A4~A3サイズの作品を収納。
小さいので運びやすいが、すべてケント紙や厚紙なので
これだって90点近いと、それなりの重さに。

「これ全部、運ぶの?」
タクシーの運転手さんも戸惑い顔で
わざわざ運転席から降りてきて
積み込みを手伝ってくださった。

4つ目はスーツケース。
ここには、木皿やカートン象、扇子、
来場プレゼント用のバッグや小物など
「その他すべて」が収められている。

よくまぁ、こんなに作ってしまったものだ。
この時になり改めて
「搬入作業」というものを「創る前に考えましょう」
と思うが、時すでに遅し。

タクシーを降り、私は立ち尽くしていた。
どうやっても一人でこの袋の大群を
一度で運び込むことは不可能である。

誰かいっしょにいれば
「ちょっと見てて!」
とお願いして、数回に分けて運べるのだが
一人身となった今、それもできない。
「誰か、知り合いは通らないものか」
と辺りを見回すが、人っ子一人・・・
なかば呆然として、一分くらい考えていた。

その時であった。
「あの、もしかして・・・もも、きみどりさん!」
振り返ると、そこには一人の女性が
戸惑いながら、しかし笑顔でこちらを見つめていた。
「あの、きむらです。ブログでコメントした・・・」
「あぁあっ!きむらさん」
お名前だけは存じ上げていたので
「あーあー、この暑い中、わざわざ来てくださって
ありがとうございます!」
うれしくなって、思わず駆け寄ってしまう。

よくもまぁ、ブログでしか見たことのない私に
勇気を持って声をかけてくださったものだ。
じわじわと感謝の念が、湧き上ってくる。

きむらさんは初対面にもかかわらず
「これ全部、運ぶんですか!」
と、私の置かれた状況をすぐに察知してくださり
「手伝いましょう!」
と、すぐにたくましい腕を差し伸べてくださった。

きむらさんが、細身のか弱そうな女性だったら
さすがにちょっと初対面で「荷物運び」は躊躇したのだが
見たからに「よし、来い!」的な温かさにあふれていたので
「これはきっと、天の思し召しにちがいない」
と、素直に思えた。

その期待は裏切られず
きむらさんは「えいやっ」と荷物を持ち上げると
大粒の汗をたらしながら
会場まで一緒に運んでくださった。

そのあいだも
「スペインから来て、まぁなんてかわいそうな
アーティストさんなんでしょう」
と、私のことを思ってくれる
天使のような方なのだった。

さて、会場に着き
休む間もなく「展示作業」に取りかかる。
「シアターカフェ」の林緑子さんと
この時初めてご挨拶。
見たからにかわいらしいその風貌からは想像もつかない
アートのために奔走するアクティブな女性。
「よろしくお願いします」
「こちらこそー」

クロ隊長、伊藤さん、中岡さんがさっそく合流してくださり
展示作業は超スピードで進められた。
でも、これだけ作品の量があると
30分で展示は難しい、ということもわかった。
何事も、やって初めてわかるものだ。

「うわぁー、ピンが足りない!」
「あー、テープが取れて来ちゃう」
現場で次々起こるハプニング。
そんな中、お客さんたちがついに
会場に姿を現し始めた。

(あさってに続く)

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