アンダルシアの『旅の楽しみ方』、第7回目の今日は
「白の迷路を歩く」です。
「白の迷路、って何?」
ずばり、「白い村そのもの」のこと。 それをわかっていただくために、
まず「白い村の構造」についてお話ししましょう。
アンダルシア地方の白い村は、
たいてい山の斜面にへばりつくようにつくられています。
そして、人家が互いにすきまなく、ぴったりとくっつきあって造られいるので、
村全体がひとつの「城砦」にようになっています。
外敵から身を守る、昔ながらの知恵ですね。
そうすると、どうなるか。
いったん、白い村に一歩、足を踏みいれると
「迷路」に紛れ込んだような感覚におちいります。
どこまでも、入り組んだ細い通り、
ぐにゃぐにゃと曲がる小道を進んでいくうちに
次第に方向感覚が失われてくる・・・
なにしろ、通りの両側に「すきま」なく白壁の家が
びっしりと並んでいるので、どこを見ても、みんな同じに見える。
自然の景色が、ランドマークがひとつもない。
どこを見ても、同じ白壁の家。
「あれ、ここはさっき通ったとこじゃ・・・」
という、漠然とした不安感がよぎる。
「ここから、出られるのか・・・」
という想像に、胸があわだつ。
白い村を「白の迷路」と名づけたゆえん、わかっていただけたでしょうか。
実際、迷うことはあっても出られないわけではないので
心配はいりませんが、 初めて歩くときはけっこう「迷路」です(体験者)。
特に午後2時~5時は、かのシエスタで、
人々の姿がぱったり通りから消えてしまうので
「いったい、どうなってしまったのか!」 的・こわさはありました。
道も聞けないし。
でも、ゆっくり写真を撮るには、いいかも。
写真はアルプハラ集落の白い村。
誰もいなくなった通りをひとり歩いていたら突然、猫が・・・
道案内人みたいに現れてくれたので、ついて行くことに。
ひっそりとした午後、4時の風景です。