マラガでは、この2月18日からカーニバルが始まりました。スペイン語では「カルナバル」と言います。26日まで、セントロのあちこちでいろいろな催しが行われているので、ぶらぶら歩きが楽しい!
ただ、すごい人出なので覚悟してお出かけください。泥棒にも気をつけて。基本ルートはラリオス通りから、グラナダ通り、カテドラル(大聖堂)周辺。私は友人カルメンと出かけましたが、目的は「映画」だったので散策は一時間ほど。
扮装したい人は、いろいろな仮面や服なども売ってるので、ぜひお試しを。この週ばかりは、「とんでもない」格好をしていても、
「ああ、扮装なんだな」
って(笑)。ふだん着れない服を試すチャンス。かも。
さて、チケットが当日で買えるのか。と心配しながら「アルベニスシアター」へ。
「えっ・・・これは」
なんと。チケット売り場には、人っ子一人いない。今回は行列も覚悟だったのに。待たずに入場してさらにびっくり。日曜日の午後七時半スタート、という好都合な時間帯にもかかわらず、お客さんはトータルで五十人ほど。
そう、マラガっ子はみんな、通りにいるのであった。中に入っている場合ではない。らしい。
さて、本日の映画は「La La Land」というミュージカル映画。スペインの方が日本より公開が早いので、もうすぐ新しい映画にかわるらしい。見ていない人のため、コメントは差し控えますが、音楽やダンスが好きな人ならたっぷり楽しめます。特に、映画の出だしの「スピード感、リズム感」には圧倒されました。
主人公の一人が「ピアニス」トだったので、なんとなく彼に肩入れして見てました。本当はジャズが好きなんだけど、レストランで「クリスマスソング」を弾かなければならず・・・・自分の曲を弾いて追い出される、なんて。実際、私もありました(笑)。勝手に弾くな、って。二度と呼ばれなかったな。
一度、ビル・エバンスのジャズアレンジのスタイルで弾いていて、
「つまらないから、パソドブレ弾けないの?」
って、レストランのオーナーに言われた時は、私自身でなく、ビル・エバンスを傷つけられたようで腹が立った。このコードとアレンジのすばらしさがわからないのか、って。
ビル・エバンスの演奏を、私も主人公のように、何度も何度も繰り返し聴いて、指を動かし、採譜して、コードを拾って、リズムを体に叩き込んだ。そういう毎日を送っていたことを思い出し、自分自身の二十年間と重ね合わせて、切ない気持ちになりました。なんだかもうずっと前のことみたいだけど、まだ一年半前なんだな。
マラガの街を歩きながら、私の人生の半分は、ここで作られたのだ、としみじみ感じた。そして、二十回以上の誕生日を、この景色を眺めながら、沢山の友人たちに守られながら過ごしたのだ、と思うと、温かい涙が出た。