もも印のラテン風アレンジ

今日は引きつづき「ラテン音楽」の魅力と
わたしの音楽にもよく登場する「ラテン風アレンジ」について
紹介していきたいと思います。

ラテン音楽の魅力は、ひとことで言うと
「メロディ」「リズム」「ハーモニー」の豊かさです。
わたしが魅かれるのも、まさに「ここ!」なのですが、
どういうことなのか具体的に、説明していきましょう。
「そんなこと知ってるよ!」という方は
どうぞ、読みとばしてくださいね。

ラテン音楽の第1の特徴は、なんといっても「リズム」。
クラシックはテンポを、1、2,3,4、と数えますが
ラテンは数えてたら、弾けません。
というのは、各楽器がそれぞれ「シンコペーション」して弾くので
てっとり早く言うと、1,2,3,4に
「あえて音を刻まない」ことで、あの
波に身をまかすようなリズム感が生まれるのです。
リズムの取り方が、1,2,3,4という「たて揺れ」でなく
「よこ揺れ」になる。

たとえば、合わせ練習でもテンポの確認は
ベースとなるリズムを実際、口にして体にしみ込ませる。
「ンーパッパ、パーア、パッパアー♪」
って、リズムをくりかえすうちに、体が自然と動いちゃう。
「カンカン、コ、カン、コーン」
って、ちがうリズムも入れたくなってくる。

「踊る」ことと、深く結びついているラテン音楽。
「体の中にリズムを宿している」ラテン人は
踊るのが、ほんとに好きです。
音楽かかると、もう誰か、踊ってますからね。

さて、この「リズム」の上にのせるのが
「メロディとハーモニー」です。
「メロディ」は主旋律なので、いわゆる「線」で聴こえます。
一瞬一瞬は基本的に「一音(点)」で、
それが鎖のようにつながって「線」になる。

一方「ハーモニー」というのは、「層」です。
厚さがある。
一瞬一瞬に「3音~8音」がつまっている。
いわゆる「和音」ですね。
ビジュアル化すると、
「つくねの串」みたいな感じですか。
音が、だんご状になっている。

この「ハーモニー」は、音楽ジャンルによって
「よく使われるコード(和音の組み合わせ)」があります。
このコードを押さえることで
Jazzらしく、ブルースらしく、聴こえてくるわけです。

そして「ラテン音楽」にも、もちろん独特の
コード進行やハーモニーがあります。
論理的に理解することも、もちろん可能ですが
それより、「いっしょに踊って」みたほうが
ずっと深く、ラテン音楽の真髄に触れられると思います。
というのは、「踊る」っていうのは、
思いのほか、必死で音楽を「聴きます」からね。
ステップあわせようと思って。
何十回と聴いて踊っているうちに、
「心地よいパターン」があるのに、自然と気づくと思います。
それをまた、味わいたくて、はまっていく。

今年は、日本の名曲「月の砂漠」や「さくら」を
ラテン風アレンジ(編曲)にして、ホテルで弾いてきました。
スペインらしいのは、
お皿を片付けに来るレストランのボーイさんたちが
「さくら」のリズムに合わせて、何気なく体を揺らしてる♪
つい、体が動いちゃうのよね。
弾いてるわたしも、踊ってます。
ピアノの前で。

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